子どもの発熱時の対処法|受診の目安・ホームケア・解熱剤の使い方
子どもの発熱の特徴
子どもは大人に比べて発熱しやすく、37.5度以上を「発熱」、38.0度以上を「高熱」とするのが一般的な目安です。乳幼児は体温調節機能が未熟なため、環境温度や運動、食事などの影響で体温が変動しやすいという特徴があります。
発熱のメカニズム
発熱は体の防御反応のひとつです。ウイルスや細菌が体内に侵入すると、免疫系がこれを排除するために体温を上昇させます。発熱自体が体に害を与えるわけではなく、免疫を活性化させて病原体と戦う重要な仕組みです。
子どもの平熱の把握
平熱は個人差があるため、元気なときに1日4回(起床時、午前中、午後、夜)の体温を数日間記録し、お子さんの平熱を把握しておきましょう。一般的に午後から夕方にかけて体温がやや高くなる傾向があります。
受診が必要な症状
発熱の多くは風邪などのウイルス感染症によるもので、自然に回復します。ただし、以下の症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
すぐに受診すべき症状
- 生後3か月未満の発熱(38.0度以上)
- ぐったりして反応が鈍い、意識がもうろうとしている
- 顔色が悪い(蒼白、土色、紫色)
- 呼吸が苦しそう(肩で息をする、胸がペコペコへこむ、唇が紫色)
- けいれんが5分以上続く、または繰り返す
- 水分を全く受け付けない、半日以上おしっこが出ない
翌日の診療時間内に受診すべき症状
- 38.5度以上の発熱が3日以上続く
- 機嫌が悪い、食欲がない状態が続く
- 発疹が出ている
- 耳を痛がる、耳だれがある
- 咳がひどく眠れない
ホームケアの基本
受診の必要がない軽度の発熱であれば、自宅でのケア(ホームケア)で経過を見ることができます。基本は「水分補給」「安静」「快適な環境」の3つです。
水分補給
発熱時は汗や呼吸から普段以上に水分が失われます。少量ずつこまめに水分を与えましょう。経口補水液、薄めた麦茶、母乳やミルクなどが適しています。一度に大量に飲ませると嘔吐を誘発することがあるため、スプーン1杯ずつなど少量から始めます。
衣類と室温の調整
- 熱の上がり始め(寒気があるとき):手足が冷たく、ふるえている場合は一枚多めに着せる
- 熱が上がりきったとき(顔が赤く、汗をかいている):薄着にして熱の放散を助ける
- 室温は夏場は26〜28度、冬場は20〜22度を目安に調整する
食事について
食欲がないときは無理に食べさせる必要はありません。水分が摂れていれば1〜2日の食欲低下は問題ありません。食べられるようになったら、おかゆやうどんなど消化のよいものから少量ずつ与えます。
解熱剤の使い方
解熱剤は熱を下げるための対症療法であり、病気そのものを治すわけではありません。使用の目安と正しい使い方を理解しておきましょう。
使用の目安
- 38.5度以上の発熱があり、かつ機嫌が悪い、眠れない、水分が摂れないなど全身状態が悪い場合に使用を検討
- 熱があっても元気に遊んでいるなら、無理に使う必要はない
- 解熱剤の目的は「熱を平熱に下げる」ことではなく、「つらさを和らげる」こと
小児に使用できる解熱剤
小児に使用できる解熱鎮痛薬はアセトアミノフェン(商品名:カロナール、アンヒバなど)です。体重1kgあたり10〜15mgを1回量とし、次の使用まで6時間以上の間隔をあけます。1日の使用回数は原則3回までです。
使用してはいけない薬
アスピリン(アセチルサリチル酸)は小児へのインフルエンザや水痘時の使用でライ症候群のリスクがあるため禁忌です。イブプロフェンは医師の処方のもとで使用される場合がありますが、市販薬の自己判断での使用は避けてください。
熱性けいれんの対処
熱性けいれんは、38度以上の発熱に伴って起こるけいれんで、生後6か月から5歳の小児の約7〜8%に発症するとされています。見た目は激しいですが、多くは数分以内に自然に治まり、後遺症を残すことはほとんどありません。
けいれんが起きたときの対処
- 慌てずに子どもを安全な場所に寝かせる(ベッドの上から落ちないようにする)
- 体を横向き(回復体位)にして、嘔吐物による窒息を防ぐ
- 口の中に物を入れない(舌を噛むことを防ごうとして指やタオルを入れるのは危険)
- けいれんの持続時間を計る(スマートフォンのタイマーなどを活用)
- けいれんの様子(左右対称か、手足の動き方など)を観察・記録する
救急車を呼ぶべき場合
- けいれんが5分以上続く
- 短時間に繰り返しけいれんが起きる
- けいれんが治まった後も意識が戻らない
- 初めてのけいれん(初回は医療機関を受診すること)
保育園の登園基準
発熱後に保育園に登園できるかどうかの基準は、施設ごとに多少の違いがありますが、一般的な目安があります。
登園再開の一般的な基準
- 解熱後24時間以上が経過していること(解熱剤を使わずに平熱が続く状態)
- 食欲があり、普段と同じ食事が摂れていること
- 機嫌がよく、普段の活動ができる状態であること
- 下痢や嘔吐が治まっていること
感染症の場合の出席停止期間
インフルエンザや新型コロナウイルス感染症など、学校保健安全法施行規則で定められた感染症については、所定の出席停止期間を守る必要があります。インフルエンザの場合は「発症後5日を経過し、かつ解熱後3日を経過するまで(幼児の場合)」が基準です。
登園許可証について
感染症の種類によっては、医師の記載した「登園許可証」や「意見書」が必要になる場合があります。対象となる感染症は保育園ごとに定められているため、事前に確認しておきましょう。