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児童手当の賢い使い方 教育資金の積立方法と運用の基本

2026年3月28日 公開
約10分で読めます
01

児童手当の総受給額

貯金

2024年10月の制度改正により、児童手当は所得制限が撤廃され、高校生年代まで支給対象が拡大されました。改正後の制度で児童手当を全額貯蓄した場合の総受給額を確認しましょう。

第1子・第2子の場合(0歳から18歳年度末まで)

  • 0歳から2歳(3年間):月額15,000円 × 36か月 = 540,000円
  • 3歳から高校生年代(15年間):月額10,000円 × 180か月 = 1,800,000円
  • 合計:約234万円

第3子以降の場合

  • 0歳から2歳(3年間):月額30,000円 × 36か月 = 1,080,000円
  • 3歳から高校生年代(15年間):月額30,000円 × 180か月 = 5,400,000円
  • 合計:約648万円

第1子・第2子でも約234万円の受給が見込めます。この金額は大学入学時の初年度納付金(国立大学で約82万円、私立大学文系で約120万円)を十分にカバーできる金額です。児童手当を生活費に充てずに教育費として積み立てることで、将来の大きな備えとなります。

参考
02

定期預金で積み立てる

最もシンプルで安全な方法が、銀行の定期預金で積み立てる方法です。元本保証があり、1,000万円までは預金保険制度で保護されるため、確実に資金を守ることができます。

メリット

  • 元本割れのリスクがない
  • 預金保険制度による保護がある(1金融機関あたり1,000万円まで)
  • 手続きが簡単で管理の手間がかからない
  • 必要なときにすぐ引き出せる(中途解約も可能)

デメリット

  • 金利が極めて低く、利息はほとんど期待できない
  • インフレが進むと実質的な価値が目減りする

活用のポイント

定期預金で積み立てる場合は、自動積立定期預金を利用しましょう。児童手当が振り込まれる口座から毎月一定額を自動で定期預金に移す設定にしておけば、手間なく確実に積み立てが進みます。金利はネット銀行の方が店舗型の銀行より高い傾向にあります。

参考
03

学資保険で積み立てる

学資保険は教育資金の準備に特化した貯蓄型保険です。子どもの進学時期に合わせて給付金を受け取れる仕組みが特徴です。

メリット

  • 契約者(親)が万一の場合、保険料の払込が免除される保障がある
  • 保険料免除後も給付金は予定どおり受け取れる
  • 強制的に貯蓄できる(途中解約のハードルが心理的に高い)
  • 生命保険料控除の対象となり、所得税・住民税の軽減効果がある

デメリット

  • 途中解約すると元本割れする可能性がある
  • 返戻率は近年低下しており、100%から110%程度
  • 長期間資金が拘束される
  • インフレ時に実質的な価値が目減りする

選び方のポイント

学資保険を選ぶ際は返戻率を重視しましょう。医療保障や育英年金などの特約を付けると返戻率が下がるため、貯蓄目的であれば特約は最小限にします。保険料の払込期間を短くする(10年払済など)と返戻率が上がる場合があります。

参考
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NISAで運用する

2024年から始まった新NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。長期の積立投資で教育資金を準備する選択肢として注目されています。

新NISAの概要

  • つみたて投資枠:年間120万円まで(対象は一定の基準を満たす投資信託)
  • 成長投資枠:年間240万円まで(上場株式・投資信託等)
  • 非課税保有限度額:合計1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)
  • 非課税期間:無期限
  • 売却した分の枠は翌年以降に再利用可能

メリット

  • 運用益が非課税のため、効率的に資産を増やせる
  • 長期積立でインフレに対応できる可能性がある
  • いつでも売却・引き出しが可能
  • 少額(月額100円)から始められる

デメリット

  • 元本保証がなく、元本割れのリスクがある
  • 短期間では損失が出る可能性がある
  • 投資の知識が必要
教育資金での投資の注意点
教育資金は使う時期が決まっているため、投資で運用する場合は注意が必要です。使う時期の3年から5年前には徐々に売却して預貯金に移すなど、出口戦略を事前に計画しておきましょう。10年以上先の資金であれば、長期積立のリスク軽減効果が期待できます。
参考
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ジュニアNISAの終了と新NISA

ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)は2023年末をもって新規の口座開設・買付が終了しました。既に運用中の資産については、非課税のまま保有を継続できます。

ジュニアNISAの既存口座の取扱い

  • 2024年以降は新たな買付はできない
  • 既に保有している金融商品は、子どもが18歳になるまで非課税で保有可能
  • 2024年以降は18歳未満でも払出し制限が撤廃され、いつでも引き出し可能
  • 子どもが18歳になった時点で新NISA口座に移管可能

新NISAでの教育資金運用

ジュニアNISAの終了に伴い、子どもの教育資金は親名義の新NISAで運用するのが現実的な選択肢となっています。新NISAは非課税期間が無期限であり、売却した枠は翌年以降に再利用できるため、教育資金の準備にも適しています。

子ども名義の口座

新NISAは18歳以上が対象のため、未成年の子ども名義では口座を開設できません。教育資金を子ども名義で管理したい場合は、銀行の子ども名義の預金口座を利用しましょう。ただし、贈与税の基礎控除(年間110万円)を超える金額を子ども名義に移す場合は贈与税がかかる可能性があります。

参考
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積立方法の比較

児童手当を教育資金として積み立てる方法をまとめて比較します。家庭の方針やリスク許容度に応じて、複数の方法を組み合わせるのが賢い選択です。

各方法の比較

  • 定期預金:安全性が最も高い。金利は低いがインフレリスク以外のリスクはほぼない。短期から中期の資金に適する
  • 学資保険:保険機能付きの貯蓄。親の万一に備えながら計画的に積立できる。途中解約は不利
  • 新NISA:最も高いリターンの可能性があるが、元本割れリスクもある。10年以上先の資金に適する

組み合わせの例

  1. 安全重視型:児童手当の全額を定期預金で積立。確実に約234万円を確保する
  2. バランス型:児童手当の半額を定期預金、半額を新NISAで積立投資。安全性とリターンのバランスを取る
  3. 保障付き型:児童手当の全額を学資保険に充当。保険機能で万一のリスクにも備える
大切なのは「始めること」
どの方法が最適かは家庭の状況によって異なります。完璧な方法を探すよりも、まず始めることが大切です。子どもが0歳のうちに積立を始めれば、18年間の複利効果を最大限に活用できます。迷ったらまずは定期預金から始め、知識が深まったら投資も検討するという段階的なアプローチも有効です。
参考
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