育児休業給付金の計算方法 支給額・期間・申請手続き
育児休業給付金の概要
育児休業給付金は、雇用保険に加入している労働者が育児休業を取得した際に、休業中の生活を支えるために支給される給付金です。雇用保険の被保険者であり、育児休業開始前の2年間に被保険者期間が12か月以上ある方が対象となります。
正社員だけでなく、パートタイムや契約社員でも雇用保険に加入していれば受給できます。有期雇用の場合は、子が1歳6か月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでないことが追加の要件です。
育児休業給付金は非課税であり、所得税や住民税はかかりません。また、育児休業期間中は社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の免除を受けることもできます。
支給率と計算方法
育児休業給付金の支給額は、休業開始前の賃金を基に計算されます。支給率は休業期間によって異なります。
支給率
- 育児休業開始から180日目まで:休業開始時賃金日額の67%
- 181日目以降:休業開始時賃金日額の50%
計算方法
支給額は以下の計算式で算出されます。
支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数(原則30日) × 支給率(67%または50%)
休業開始時賃金日額は、育児休業開始前6か月間の賃金総額を180で割った金額です。賃金には基本給のほか、通勤手当や残業手当なども含まれます。
支給額の具体例(月額の目安)
- 月収20万円の場合:最初の6か月は約13.4万円、以降は約10万円
- 月収25万円の場合:最初の6か月は約16.7万円、以降は約12.5万円
- 月収30万円の場合:最初の6か月は約20.1万円、以降は約15万円
パパママ育休プラス
パパママ育休プラスは、父母がともに育児休業を取得する場合に、育児休業の対象となる子の年齢が1歳から1歳2か月まで延長される制度です。
利用条件
- 配偶者が子の1歳到達日以前に育児休業を取得していること
- 本人の育児休業開始日が、子の1歳到達日の翌日以前であること
- 本人の育児休業開始日が、配偶者の育児休業の初日以後であること
パパママ育休プラスの活用例
母親が子の出生後から1歳まで育児休業を取得し、父親が子の10か月から1歳2か月まで育児休業を取得するケースが典型的です。この場合、父母の育休期間が2か月間重なり、父親の育休復帰時に母親がサポートできるというメリットがあります。
出生時育児休業(産後パパ育休)
2022年10月から、子の出生後8週間以内に最大4週間の育児休業を取得できる「出生時育児休業(産後パパ育休)」が創設されました。通常の育児休業とは別に取得でき、2回に分割して取得することも可能です。出生時育児休業給付金として、休業開始時賃金日額の67%が支給されます。
延長の条件と手続き
育児休業給付金の支給期間は原則として子が1歳になるまでですが、一定の条件を満たす場合は1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できます。
延長が認められる条件
- 保育所等に入所を申し込んでいるが、入所できない場合
- 子を養育する予定だった配偶者が、死亡・負傷・疾病・離婚などにより養育が困難になった場合
延長の手続き
延長を申請するには、保育所の入所不承諾通知書(保留通知書)を事業主に提出する必要があります。入所不承諾通知書を受け取るためには、子が1歳になる時点(1歳6か月延長の場合は1歳6か月時点)で保育所への入所申し込みを行っておく必要があります。
申請手続き
育児休業給付金の申請は、原則として事業主がハローワークに対して行います。被保険者本人がハローワークに直接申請することも可能ですが、一般的には会社が手続きを代行します。
手続きの流れ
- 育児休業の開始:会社に育児休業の申出を行い、休業を開始する
- 受給資格確認:事業主が「育児休業給付受給資格確認票」をハローワークに提出
- 初回支給申請:育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までに申請
- 以降の支給申請:原則2か月ごとにハローワークに支給申請書を提出
必要書類
- 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
- 賃金台帳、出勤簿など賃金を確認できる書類
- 母子健康手帳の写し(出産日を確認できるもの)
支給日
支給申請書がハローワークで処理された後、指定口座に振り込まれます。初回の支給は育児休業開始から2か月から3か月後になることが一般的です。その後は2か月ごとに支給されます。
よくある質問
育児休業中に働いた場合は?
育児休業期間中に就業した場合、支給単位期間中の就業日数が10日以下(または就業時間が80時間以下)であれば、給付金は支給されます。ただし、賃金が支払われた場合は支給額が調整されることがあります。
2人目の育児休業給付金は受給できる?
1人目の育児休業終了後に職場復帰し、2人目の育児休業を取得する場合、受給資格の要件を満たしていれば2人目の育児休業給付金を受給できます。1人目の育児休業中に2人目を妊娠した場合でも、産前休業開始日の前日までに育児休業を終了し、産後休業・育児休業を取得すれば給付金の対象となります。
退職した場合はどうなる?
育児休業中に退職した場合、退職日を含む支給単位期間の1つ前の支給単位期間までは給付金が支給されます。退職を予定している場合でも、退職日までの分は受給可能です。ただし、育児休業開始時点で退職が確定している場合は、受給資格が認められないことがあります。
社会保険料の免除について
育児休業中は健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。免除を受けるには事業主が年金事務所に届出を行う必要があります。免除期間中も将来の年金額の計算では保険料を払ったものとして扱われるため、年金受給額への影響はありません。