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子どもの歯科検診ガイド 無料検診の時期・フッ素塗布・虫歯予防

2026年3月28日 公開
約11分で読めます
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乳幼児歯科検診の概要

歯科検診

乳幼児期の歯科検診は、虫歯の早期発見だけでなく、歯並びや噛み合わせの確認、口腔機能の発達を評価するために重要な健診です。母子保健法に基づき、市区町村は1歳6か月児健診と3歳児健診において歯科検診を実施することが義務づけられています。この2回の健診は全国すべての自治体で無料で受けることができます。

厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、3歳児のう蝕(虫歯)有病率は年々減少しており、2022年調査では約10%まで低下しています。しかし、地域差や家庭環境による差は依然として存在し、定期的な歯科検診と予防的なケアの重要性は変わりません。乳歯の虫歯は永久歯の発育にも影響するため、乳幼児期からの口腔ケアが将来の歯の健康の基盤となります。

乳歯の生え始めと本数
乳歯は生後6か月頃から下の前歯から生え始め、2歳半から3歳頃までに20本すべてが生えそろいます。個人差が大きく、生後3か月で生える子もいれば、1歳を過ぎて生え始める子もいます。生える時期が遅くても、ほとんどの場合は心配不要です。気になる場合は歯科検診で相談しましょう。
参考
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自治体の無料歯科検診スケジュール

自治体が実施する無料の歯科検診について、時期ごとに内容を整理します。法定の健診に加え、多くの自治体では独自の歯科検診も実施しています。

1歳6か月児歯科健診(法定)

1歳6か月から2歳未満の間に受診する法定健診です。この時期は上下の前歯と第一乳臼歯が生えそろい始める時期で、虫歯のリスクが高まる時期でもあります。歯科医師による視診のほか、歯磨き指導や食生活に関するアドバイスが行われます。市区町村の保健センターなどで集団健診として実施されることが多く、対象者には個別に通知が届きます。

3歳児歯科健診(法定)

3歳から4歳未満の間に受診する法定健診です。20本の乳歯がほぼ生えそろう時期であり、乳歯列全体の虫歯の有無、歯並び、噛み合わせの状態を総合的に確認します。この健診で虫歯が見つかった場合は、かかりつけ歯科医での治療を勧められます。

自治体独自の歯科検診

  • 9か月から10か月児歯科検診:歯が生え始める時期に、口腔内の確認と歯磨きの開始時期についてアドバイスを行う
  • 2歳児歯科検診:虫歯の好発時期に合わせて実施する自治体が多い
  • 4歳児・5歳児歯科検診:就学前のスクリーニングとして実施
  • フッ素塗布事業:1歳から就学前まで、年1回から2回の無料フッ素塗布を実施

実施している検診の種類や対象年齢は自治体によって異なります。お住まいの市区町村のホームページや母子健康手帳の別冊で確認しましょう。

健診を受けなかった場合
法定の1歳6か月児健診と3歳児健診は、指定された期間内に受診しなかった場合、自治体から再度案内が届くことが一般的です。健診を受けないこと自体に罰則はありませんが、虫歯や発達の問題の早期発見のために、できるだけ受診しましょう。
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フッ素塗布の効果と費用

フッ素(フッ化物)塗布は、乳幼児の虫歯予防に効果が認められている代表的な予防処置です。歯科医院や自治体の事業として広く実施されています。

フッ素塗布の効果

フッ素には歯のエナメル質を強化し、酸に対する抵抗力を高める作用があります。また、初期の虫歯(脱灰)に対して再石灰化を促進する効果もあります。日本歯科医師会によると、フッ素塗布による虫歯予防効果は20%から30%とされており、歯磨きや食生活の改善と組み合わせることで、より高い予防効果が期待できます。

推奨される開始時期と頻度

フッ素塗布は乳歯が生え始める生後6か月頃から開始できます。日本小児歯科学会では、3か月から6か月に1回の定期的なフッ素塗布を推奨しています。歯が生え始めた直後のエナメル質は未成熟で虫歯になりやすいため、歯が生えるたびにフッ素塗布を受けることが理想的です。

費用の目安

  • 自治体の事業として実施される場合:無料(対象年齢は自治体により異なる)
  • 歯科医院で自費診療として受ける場合:1回500円から3,000円程度
  • 子ども医療費助成が適用される場合:自己負担なしまたは少額

フッ素塗布後の注意点

フッ素塗布後は30分間飲食を控えることが推奨されています。これはフッ素が歯の表面にしっかり作用する時間を確保するためです。塗布当日は特に問題なく通常の生活を送ることができます。まれに塗布を嫌がる子どももいますが、短時間で終わる処置なので、歯科医師やスタッフの声かけでスムーズに受けられることがほとんどです。

家庭でのフッ素活用
歯科医院でのフッ素塗布に加え、家庭でもフッ素入り歯磨き剤の使用が推奨されています。年齢別の推奨フッ素濃度は、生後6か月から2歳が500ppm、3歳から5歳が500ppmから1,000ppm、6歳以上が1,000ppmから1,500ppmです。歯磨き剤の量は、2歳以下は米粒大、3歳から5歳はグリーンピース大が目安です。
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年齢別の歯のケア

子どもの年齢に応じて、歯のケアの方法やポイントは変化していきます。発達段階に合わせた適切なケアを実践しましょう。

0歳(歯が生える前から生え始め)

歯が生える前から、授乳後にガーゼや清潔な布で歯ぐきを優しく拭くことで、口腔ケアの習慣づけを始めます。下の前歯が生えてきたら、乳児用の歯ブラシを使い始めましょう。この時期は「歯磨きが気持ちいい」と感じてもらうことが最優先です。

1歳から2歳(前歯から奥歯へ)

上の前歯は唾液が行き渡りにくく、虫歯になりやすい部位です。特に寝かせ磨きで上の前歯の間を丁寧に磨きましょう。奥歯(第一乳臼歯)が生えてきたら、奥歯の溝の汚れに注意が必要です。1歳を過ぎたら哺乳瓶での甘い飲み物は控え、コップ飲みへの移行を進めましょう。

3歳から5歳(乳歯列の完成期)

3歳頃には20本の乳歯が生えそろいます。この時期は間食の回数と内容が虫歯リスクに直結します。甘いおやつを食べる回数を1日1回から2回に限定し、食後の歯磨きを習慣づけましょう。自分で歯磨きをしたがる年齢ですが、仕上げ磨きは小学校低学年まで続けることが推奨されています。

6歳以降(永久歯への生え変わり)

6歳臼歯(第一大臼歯)は最も虫歯になりやすい永久歯です。生え始めは歯ぐきに一部覆われた状態が続くため、磨き残しが生じやすくなります。歯ブラシを横から入れて丁寧に磨く方法を教えましょう。生え変わりの時期は歯並びがでこぼこになるため、磨きにくい部分を意識的にケアすることが大切です。

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歯科医院の選び方

子どもの定期的な歯科検診やフッ素塗布を受けるために、かかりつけの歯科医院を見つけておくことが大切です。子どもの歯科受診をスムーズに進めるためのポイントを紹介します。

小児歯科を選ぶメリット

小児歯科を標榜している歯科医院は、子どもの歯科治療に特化した設備や技術を備えています。待合室にキッズスペースが設けられていたり、診療台が子ども用に設計されていたりと、子どもがリラックスして受診できる環境が整っています。小児歯科専門医の在籍する医院であれば、歯並びや噛み合わせの専門的な診断も受けられます。

確認しておきたいポイント

  • 予防歯科に力を入れているか(定期検診やフッ素塗布の体制)
  • 子どもへの対応が丁寧か(泣いても無理に治療を進めない方針かどうか)
  • 保護者への説明が十分か(治療方針や家庭でのケアについて)
  • 通いやすい立地と診療時間か
  • 急患対応が可能か(転倒による歯の外傷など)

初めての歯科受診のタイミング

日本小児歯科学会では、1歳の誕生日頃までに初めての歯科受診を行うことを推奨しています。1歳6か月児健診の前に一度受診しておくと、自治体の健診をより有意義に活用できます。早い時期から歯科医院に慣れておくことで、いざ治療が必要になった際にもスムーズに対応できるメリットがあります。

歯科受診を嫌がる場合
歯科受診を嫌がる子どもは少なくありません。無理に押さえつけて治療を行うと、歯科に対する恐怖心が根付いてしまいます。子どもの対応に慣れた歯科医院では、まず診療台に座る練習から始め、段階的に検診や処置に慣れさせる「トレーニング法」を取り入れているところもあります。焦らず、子どものペースに合わせることが大切です。
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虫歯予防の生活習慣

歯磨きやフッ素塗布に加えて、日常の生活習慣が虫歯予防に大きな影響を与えます。家族全体で取り組める予防のポイントをまとめます。

食生活と間食の管理

虫歯の原因となるミュータンス菌は、糖分をエサにして酸を生成し、歯を溶かします。虫歯予防の基本は、糖分の摂取頻度を減らすことです。間食の回数が多いほど、口腔内が酸性に傾く時間が長くなり、虫歯リスクが上昇します。おやつは時間と回数を決めて与え、食べた後は歯磨きまたは水やお茶で口をすすぐ習慣をつけましょう。

避けたい食習慣

  • ジュースやスポーツドリンクの常飲(水分補給は水やお茶が基本)
  • 飴やキャラメルなど口腔内に長時間留まるお菓子の頻繁な摂取
  • 寝る前の飲食(就寝中は唾液の分泌が減り、虫歯リスクが最も高まる)
  • 哺乳瓶でのジュースや甘い飲み物の摂取(哺乳瓶う蝕の原因)

唾液の力を活かす

唾液には口腔内を中性に戻す緩衝作用や、歯の再石灰化を促進する作用があります。よく噛んで食べることで唾液の分泌が促進されます。食材を大きめに切る、噛みごたえのある食品(根菜類、乾物など)をメニューに取り入れるなど、日常の食事で噛む回数を増やす工夫も効果的です。

家族間の虫歯菌感染の予防

虫歯の原因菌は、食器の共有や口移しなどを通じて大人から子どもに感染することが知られています。親自身の口腔ケアを徹底し、虫歯の治療を済ませておくことが、子どもへの虫歯菌感染を減らす第一歩です。箸やスプーンの共用を避け、親の唾液が子どもの口に入るのを防ぐ配慮も有効です。

参考
都道府県から市区町村の支援情報を探す 予防接種スケジュールガイドを読む
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