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DV・虐待からの避難と支援 相談窓口・シェルター・法的保護

2026年3月28日 公開
約12分で読めます
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DVと虐待の定義

支援

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者やパートナーなど親密な関係にある人からの暴力を指します。配偶者暴力防止法(DV防止法)では、身体的暴力だけでなく、精神的暴力、性的暴力、経済的暴力も含む広い概念として定義されています。

暴力の種類

  • 身体的暴力:殴る、蹴る、物を投げつける、首を絞めるなど
  • 精神的暴力:暴言、無視、行動の監視、脅迫、人格否定
  • 性的暴力:性行為の強要、避妊への非協力
  • 経済的暴力:生活費を渡さない、就労を禁止する、借金を強いる
  • 社会的隔離:外出や交友関係の制限、携帯電話の監視

2024年のDV防止法改正により、精神的暴力も保護命令の対象に拡大されました。「自分が我慢すればいい」と思い込まず、暴力は決して許されない行為であることを知っておくことが重要です。

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相談窓口一覧

DVや虐待の被害に遭っている場合、一人で抱え込まず、まずは相談窓口に連絡することが大切です。匿名での相談も可能で、秘密は厳守されます。

主な相談先

  • DV相談プラス(内閣府):電話 0120-279-889(24時間対応)、メール・チャット相談も可
  • 配偶者暴力相談支援センター:各都道府県に設置、面接相談も対応
  • 警察の相談窓口:#9110(警察相談専用電話)、緊急時は110番
  • 法テラス:0570-078374(法的支援の相談)
  • 児童相談所全国共通ダイヤル:189(子どもの虐待に関する相談・通告)

外国語での相談

DV相談プラスでは、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、タガログ語、タイ語、ベトナム語など10か国語以上での相談に対応しています。通訳サービスを介した対応も可能です。

相談の記録を残しておきましょう
暴力の日時、内容、けがの写真、診断書などは、後の保護命令申立てや離婚手続きで重要な証拠となります。安全な場所に保管するか、信頼できる人に預けておきましょう。
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シェルターの利用

シェルター(一時保護施設)は、DV被害者が安全に避難できる場所です。配偶者暴力相談支援センターや警察を通じて利用を申し込むことができます。

公的シェルター

婦人相談所に附設された一時保護所が代表的な公的シェルターです。利用料は無料で、食事や日用品が提供されます。保護期間は原則として2週間程度ですが、状況に応じて延長されることもあります。所在地は非公開で、安全が確保されています。

民間シェルター

NPO法人などが運営する民間シェルターも全国各地に存在します。公的シェルターよりも柔軟な対応が可能な場合があり、心理的なサポートや自立支援プログラムが充実している施設もあります。

シェルター利用中の生活

シェルターでは、外部との連絡が制限される場合があります。これは被害者の安全を守るための措置です。入所中に今後の生活について相談員と話し合い、住居の確保や生活保護の申請、法的手続きの準備を進めます。

子どもと一緒に入所することも可能です。子どもの学校については、転校手続きやDV被害者の子どもの住民票閲覧制限などの対応が取られます。

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保護命令の申立て

保護命令は、DV被害者の安全を確保するために裁判所が加害者に対して発する命令です。DV防止法に基づき、被害者本人が地方裁判所に申し立てることで発令されます。

保護命令の種類

  • 接近禁止命令:被害者への接近を6か月間禁止
  • 退去命令:共同住居からの退去を2か月間命令
  • 電話等禁止命令:電話、メール、SNS等での連絡を禁止
  • 子への接近禁止命令:被害者の子どもへの接近を禁止
  • 親族等への接近禁止命令:被害者の親族等への接近を禁止

申立ての手続き

申立書に暴力の内容や被害の状況を記載し、配偶者暴力相談支援センターまたは警察への相談記録(相談した事実の証明)を添付して提出します。裁判所は速やかに審理を行い、原則として申立てから数日以内に決定が下されます。

保護命令違反の罰則

保護命令に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。違反があった場合はすぐに警察に通報してください。

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子連れ避難

子どもを連れてDVから避難する場合、子どもの安全確保と手続きの両面で特別な配慮が必要です。避難は子どもの福祉を守るための正当な行為であり、法的にも保護されています。

避難時に持ち出すもの

  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)のコピー
  • 健康保険証、母子健康手帳
  • 預金通帳、キャッシュカード
  • 子どもの学校関連書類
  • 常備薬、着替え(数日分)
  • DVの証拠となる記録や写真

住民票の閲覧制限

DV被害者は、市区町村に申出を行うことで住民票や戸籍の附票の閲覧・交付を制限することができます。これにより、加害者が被害者の新しい住所を知ることを防ぎます。転入届の提出時に窓口で相談しましょう。

子どもの転校手続き

DV被害で転居した場合、子どもの転校手続きは教育委員会の配慮のもとで行われます。在学証明書がなくても柔軟に対応してもらえる場合が多く、住所を秘匿したまま手続きを進めることも可能です。

子どもの心のケアも忘れずに
DVの目撃は子どもにとって深刻な心理的影響を及ぼします。安全な環境に移った後も、子どもの心のケアが必要です。児童相談所やスクールカウンセラーなど専門家の支援を活用しましょう。
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自立支援

DV被害からの避難後は、経済的・社会的な自立に向けた支援が必要です。さまざまな公的支援制度を組み合わせて活用することで、安定した生活基盤を築くことができます。

経済的支援

生活保護の申請、児童扶養手当の受給、母子父子寡婦福祉資金の貸付など、複数の経済的支援制度があります。福祉事務所やひとり親家庭支援の窓口で、利用できる制度を包括的に案内してもらいましょう。

住居の確保

母子生活支援施設は、18歳未満の子どもを養育している母親が子どもと一緒に入所できる施設です。生活支援や就労支援が受けられ、自立への準備を整えることができます。公営住宅の優先入居枠が設けられている自治体もあります。

就労支援

ハローワークのマザーズコーナーでは、子育て中の求職者に対する個別支援を行っています。自立支援教育訓練給付金や高等職業訓練促進給付金など、ひとり親向けの就労支援制度も活用できます。

法的支援

離婚手続き、養育費の請求、財産分与などの法的手続きについては、法テラスの無料法律相談を利用できます。DV被害者は資力要件の審査が緩和される場合があり、弁護士費用の立替制度も利用可能です。

参考
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