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幼稚園と保育園の違いを徹底比較 費用・時間・教育内容

2026年3月28日 公開
約10分で読めます
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幼稚園と保育園の基本的な違い

幼稚園

幼稚園と保育園は、どちらも就学前の子どもが通う施設ですが、制度上の位置づけや目的に違いがあります。それぞれの基本的な特徴を理解しておきましょう。

幼稚園の特徴

幼稚園は文部科学省が所管する「学校」に分類される施設です。学校教育法に基づき、満3歳から小学校入学前までの子どもを対象に「教育」を行います。幼稚園教育要領に沿ったカリキュラムが組まれており、遊びを通じた学びを基本としながら、知識や技能の基礎を培うことを目的としています。

  • 所管:文部科学省
  • 根拠法:学校教育法
  • 対象年齢:満3歳から小学校入学前
  • 目的:幼児の教育
  • 先生の資格:幼稚園教諭免許

保育園(保育所)の特徴

保育園(正式には保育所)はこども家庭庁が所管する「児童福祉施設」です。児童福祉法に基づき、保護者が仕事や病気などの理由で保育が必要な0歳から小学校入学前までの子どもを対象に「保育」を行います。保育所保育指針に沿って、養護と教育を一体的に提供しています。

  • 所管:こども家庭庁
  • 根拠法:児童福祉法
  • 対象年齢:0歳から小学校入学前
  • 目的:保育に欠ける子どもの保育
  • 先生の資格:保育士資格
「教育」と「保育」の実際の違い
制度上は「教育施設」と「福祉施設」という違いがありますが、実際の内容は近年かなり近づいています。保育園でも幼児教育に力を入れる園は多く、幼稚園でも預かり保育を充実させる園が増えています。2018年に改訂された幼稚園教育要領と保育所保育指針では、幼児教育の部分がほぼ共通の内容に統一されました。
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費用の比較

2019年10月から「幼児教育・保育の無償化」が実施され、費用面の状況は大きく変わりました。ただし、完全に無料というわけではなく、施設の種類によって無償化の範囲が異なります。

幼稚園の費用

3歳から5歳児クラスの利用料(入園料を含む保育料)は月額25,700円まで無償化されています。私立幼稚園の場合、保育料がこの上限を超える場合は差額が自己負担となります。公立幼稚園はほとんどの場合、月額25,700円以内に収まっています。

保育料以外にかかる費用として、以下のものがあります。

  • 給食費:月額3,000円から8,000円程度(実費徴収)
  • 通園バス代:月額2,000円から5,000円程度
  • 教材費:年間数千円から数万円
  • 制服代:数万円(園による)
  • 行事費:年間数千円程度
  • 預かり保育利用料:無償化対象の場合あり(後述)

保育園の費用

3歳から5歳児クラスの利用料は全額無償化されています。0歳から2歳児クラスは住民税非課税世帯のみ無償化の対象で、それ以外の世帯は世帯の所得に応じた保育料が発生します。

0歳から2歳児クラスの保育料は、自治体ごとの保育料表に基づき、世帯の住民税額(市区町村民税所得割額)によって決まります。月額0円から8万円程度と幅があり、全国平均では月額2万円から3万円程度です。きょうだいで同時に利用している場合は、第2子の保育料が半額、第3子以降は無料となる自治体が多くあります。

保育料以外にかかる費用は以下のとおりです。

  • 給食費(3歳以上):月額5,000円から10,000円程度(主食費 + 副食費)
  • 延長保育料:月額2,000円から5,000円程度、または1回数百円
  • おむつ関連費用:園による(持参・サブスクリプション利用など)
  • 行事費・教材費:年間数千円程度
副食費の免除について
3歳から5歳児クラスの給食費のうち副食費(おかず代)は、年収360万円未満相当の世帯と、すべての世帯の第3子以降の子どもは免除されます。免除対象かどうかは自治体が判定するため、手続きは不要です。
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預かり時間と延長保育

預かり時間の違いは、幼稚園と保育園を選ぶ際の最も大きなポイントのひとつです。保護者の就労状況に合わせて適切な施設を選びましょう。

幼稚園の預かり時間

幼稚園の標準的な教育時間は1日4時間が基本で、多くの園では午前9時頃から午後2時頃までの保育を行っています。ただし、園によっては午前8時30分からの受け入れや、午後2時30分までの保育など、時間帯は異なります。

夏休み、冬休み、春休みの長期休暇があるのも幼稚園の特徴です。夏休みは7月下旬から8月末頃まで約40日間、冬休みは約2週間、春休みも約2週間が一般的です。

幼稚園の預かり保育

近年は多くの幼稚園が「預かり保育」を実施しており、教育時間の前後や長期休暇中も子どもを預けることが可能です。共働き家庭でも幼稚園を利用できるようになっています。預かり保育の実施率は全国で約9割に達しています。

保育の必要性が認められた家庭(新2号認定)であれば、預かり保育の利用料も月額11,300円まで無償化の対象となります。預かり保育を活用すれば、朝7時30分から夕方6時頃まで預けられる園も増えています。

保育園の預かり時間

認可保育園の開所時間は、一般的に朝7時頃から夕方6時頃までの11時間です。保育の認定区分によって、保育標準時間(最長11時間)と保育短時間(最長8時間)に分かれています。

  • 保育標準時間認定:主にフルタイム勤務の保護者。1日最長11時間の保育
  • 保育短時間認定:主にパートタイム勤務の保護者。1日最長8時間の保育

さらに延長保育を利用すれば、朝7時前や夕方6時以降(園によっては夜8時や9時頃まで)も預けることができます。土曜日も開所している園がほとんどです。長期休暇はなく、年末年始や日曜・祝日を除いて通年で利用できます。

保育の必要性の認定について
保育園を利用するためには、市区町村から「保育の必要性」の認定を受ける必要があります。認定の要件には、就労(月48時間以上が目安)、妊娠・出産、保護者の病気や障害、介護、求職活動、就学などがあります。幼稚園は保育の必要性がなくても利用できます。
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教育・保育内容の違い

幼稚園と保育園では、実際にどのような活動が行われているのでしょうか。制度上の違いだけでなく、園ごとの特色も大きいため、見学して確認することが大切です。

幼稚園の教育内容

幼稚園では、幼稚園教育要領に基づいた教育が行われます。「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域を柱に、遊びを通じた総合的な指導が行われます。園によっては、以下のような特色ある教育を取り入れています。

  • 英語教育や外国語活動
  • 体操教室や水泳教室
  • 音楽教育(リトミック、合奏など)
  • モンテッソーリ教育やシュタイナー教育
  • 自然体験や農業体験
  • 文字や数の学習

私立幼稚園では園の教育方針による違いが特に大きく、勉強に力を入れる園からのびのびとした自由遊びを重視する園まで多様です。

保育園の保育内容

保育園では、保育所保育指針に基づいた保育が行われます。3歳以上の教育に関する内容は幼稚園教育要領とほぼ同じ5領域で構成されています。0歳から2歳児については「養護」の側面が重視され、生活リズムの確立や基本的な生活習慣の形成が中心となります。

保育園では長時間の保育を行うため、午睡(お昼寝)の時間が設けられているのが一般的です。3歳児クラスまではほとんどの園でお昼寝がありますが、4歳・5歳児クラスではお昼寝をなくす園も増えています。

給食の違い

保育園は調理設備の設置が義務付けられており、基本的に完全給食(主食 + 副食)が提供されます。幼稚園は給食の提供が義務ではないため、園によってお弁当持参、完全給食、または選択制と対応が分かれます。近年は幼稚園でも給食を提供する園が増加しています。

園選びで見るべきポイント
幼稚園か保育園かという制度の違いよりも、個々の園の方針や雰囲気の方が実際の生活に大きく影響します。可能であれば複数の園を見学し、教育方針、先生と子どもの関わり方、施設の清潔さ、園庭の広さ、給食の内容などを自分の目で確認しましょう。
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認定こども園という選択肢

幼稚園と保育園の機能を併せ持つ「認定こども園」も選択肢のひとつです。2006年に制度化され、近年は設置数が大幅に増加しています。

認定こども園とは

認定こども園は、教育と保育を一体的に提供する施設です。保護者の就労の有無にかかわらず利用でき、就労状況が変わっても転園の必要がないのが大きな特徴です。0歳から5歳まで一貫した教育・保育を受けられます。

4つのタイプ

認定こども園には以下の4つのタイプがあります。

  • 幼保連携型:幼稚園と保育園の機能を一体的に提供する施設。最も数が多いタイプ
  • 幼稚園型:既存の幼稚園に保育園的機能を付加した施設
  • 保育所型:既存の保育園に幼稚園的機能を付加した施設
  • 地方裁量型:幼稚園・保育園のいずれの認可もない施設が認定こども園としての機能を果たす施設

認定こども園のメリット

  • 保護者の就労状況に関係なく利用できる
  • 就労状況が変わっても退園しなくてよい
  • 教育と保育を一体的に受けられる
  • 地域の子育て支援(一時預かり、育児相談など)も行っている
  • 異年齢の子どもが一緒に過ごす機会がある

認定こども園の利用方法

認定こども園を利用するためには、子どもの年齢と保育の必要性に応じた認定を受ける必要があります。

  • 1号認定(教育標準時間認定):3歳以上で保育の必要性がない場合。幼稚園的な利用
  • 2号認定(保育認定):3歳以上で保育の必要性がある場合。保育園的な利用
  • 3号認定(保育認定):3歳未満で保育の必要性がある場合

1号認定の場合は園に直接申し込み、2号・3号認定の場合は市区町村を通じて申し込む流れとなります。

認定こども園の増加傾向
認定こども園の数は年々増加しており、2024年4月時点で全国に約10,000園を超えています。特に幼保連携型が最も多く、全体の約8割を占めています。既存の幼稚園や保育園から認定こども園に移行する施設が増えているため、お住まいの地域でも選択肢が広がっている可能性があります。
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わが家に合った選び方

幼稚園、保育園、認定こども園、それぞれにメリットがあり、どれが最適かは家庭の状況によって異なります。以下のポイントを参考に、わが家に合った園を選びましょう。

保護者の就労状況で考える

フルタイム共働きであれば、長時間保育が可能な保育園や認定こども園(2号・3号認定)が現実的な選択肢です。一方、片方の保護者が専業主婦(主夫)または短時間パートであれば、幼稚園や認定こども園(1号認定)も選択肢に入ります。

今後の就労予定も考慮しましょう。現在は働いていなくても近い将来仕事を始める予定がある場合は、預かり保育が充実した幼稚園や認定こども園を検討するのがよいでしょう。

子どもの年齢で考える

0歳から2歳の場合は保育園(または認定こども園の3号認定)が選択肢となります。幼稚園は原則3歳からなので、それまでの間の預け先を確保する必要があります。3歳以降は幼稚園、保育園、認定こども園のいずれも選べます。

教育方針で考える

特定の教育メソッドや方針を重視する場合は、それを実践している園を選ぶことになります。私立幼稚園は教育の特色が明確な園が多い傾向がありますが、保育園や認定こども園でも特色ある教育を行う園は増えています。

通いやすさで考える

  • 自宅からの距離と通園手段(徒歩、自転車、車、バス)
  • 通勤経路上にあるかどうか
  • 送迎の負担(駐車場の有無、バスの運行ルート)
  • 急なお迎えに対応しやすい場所かどうか

見学時のチェックポイント

  • 先生たちの雰囲気と子どもへの接し方
  • 子どもたちの表情や園全体の活気
  • 施設の清潔さと安全対策
  • 園庭や遊具の充実度
  • 給食の内容とアレルギー対応
  • 保護者の参加が求められる行事の頻度
  • 保護者同士のコミュニケーションの雰囲気

最終的には、子どもが楽しく通えるかどうかが最も大切です。複数の園を見学し、子どもの反応も見ながら、家族にとって最適な園を見つけてください。

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