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出産でもらえるお金一覧|総額200万円超の給付金を漏れなく申請
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出産でもらえるお金の全体像
妊娠・出産・産後にはさまざまな給付金や助成金を受け取ることができます。会社員、公務員、自営業、専業主婦など立場によって受け取れる制度が異なるため、自分が対象になる制度を漏れなく把握することが重要です。
主な給付金の一覧と概算額
- 妊婦健診の助成:約10万円から14万円相当(14回分の受診券)
- 出産応援給付金:5万円
- 子育て応援給付金:5万円
- 出産育児一時金:50万円
- 出産手当金:約50万円から65万円(会社員の場合、産前産後98日間)
- 育児休業給付金:約100万円から180万円(会社員の場合、休業期間による)
- 児童手当:月額1万円から1万5千円(子どもの年齢による)
これらを合計すると、会社員の場合は総額200万円を超える給付を受けられる可能性があります。
立場別の対象制度
- 会社員(健康保険加入):全ての制度が利用可能
- 公務員(共済組合加入):ほぼ全ての制度が利用可能
- 自営業・フリーランス(国民健康保険):出産手当金と育児休業給付金は対象外
- 専業主婦(配偶者の扶養):出産手当金と育児休業給付金は対象外
申請は自分で行う必要がある
給付金の多くは自動的に支給されるわけではなく、自分で申請手続きを行う必要があります。申請期限が設けられているものもあるため、出産前から必要な手続きをリストアップしておくことをおすすめします。
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妊娠中にもらえるお金
妊娠がわかった段階から利用できる制度があります。早めに手続きを行い、経済的な負担を軽減しましょう。
妊婦健康診査の助成(妊婦健診の補助券)
- 内容:妊婦健診にかかる費用の一部を自治体が助成する制度
- 金額:14回分の受診券が交付される(1回あたり5,000円から1万円程度の助成、自治体により異なる)
- 手続き:妊娠届出時に母子健康手帳と一緒に交付される
- 対象:全ての妊婦
出産応援給付金(妊娠届出時)
- 内容:妊娠届出後、面談を受けた妊婦に支給される給付金
- 金額:5万円
- 手続き:妊娠届出時の面談後に申請(自治体によって現金またはクーポン)
- 対象:全ての妊婦
傷病手当金(つわりや切迫早産で休業した場合)
- 内容:妊娠中の体調不良で連続4日以上仕事を休んだ場合に支給される
- 金額:日額の約3分の2(標準報酬日額の3分の2)
- 手続き:加入している健康保険組合に申請
- 対象:健康保険に加入している会社員・公務員(国民健康保険は対象外)
高額療養費制度(帝王切開や入院の場合)
- 内容:1か月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合、超えた分が払い戻される
- 金額:自己負担上限額は所得によって異なる(一般的な所得の場合、約8万円程度)
- 手続き:事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと窓口での支払いが上限額まで
- 対象:全ての健康保険加入者
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出産時にもらえるお金
出産そのものに関連する給付金は、全ての妊婦が対象となるものと、会社員のみが対象のものがあります。
出産育児一時金
- 内容:出産にかかる費用を補助するために、健康保険から支給される一時金
- 金額:子ども1人につき50万円(産科医療補償制度に加入している医療機関で出産した場合)
- 手続き:「直接支払制度」を利用すれば、医療機関が健康保険に直接請求するため、窓口での支払いは差額分のみ
- 対象:健康保険または国民健康保険に加入している全ての方(被扶養者も含む)
出産費用が50万円を下回った場合は、差額を健康保険に請求して受け取ることができます。
出産手当金
- 内容:産前産後の休業期間中、給与が支払われない場合に健康保険から支給される
- 金額:標準報酬日額の3分の2に相当する額(日額)
- 支給期間:出産予定日の42日前(多胎の場合は98日前)から出産後56日間
- 手続き:産休終了後に勤務先を通じて健康保険組合に申請
- 対象:健康保険に加入している会社員・公務員(国民健康保険は対象外)
出産手当金の計算例
月給25万円の会社員の場合、標準報酬日額は約8,333円。その3分の2は約5,556円。産前42日間+産後56日間=合計98日間で、約54万円を受け取れる計算になります。実際の金額は標準報酬月額に基づくため、個人差があります。
医療費控除(確定申告)
- 内容:年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で所得控除を受けられる
- 金額:(医療費 - 保険金等で補填された額 - 10万円)に所得税率をかけた額が還付される
- 手続き:翌年の確定申告時に医療費の領収書をもとに申告
- 対象:全ての納税者
妊婦健診の自己負担分、出産費用の自己負担分、通院の交通費(公共交通機関)なども医療費控除の対象になります。領収書は必ず保管しておきましょう。
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産後・育休中にもらえるお金
出産後も、育児休業中の収入を支える給付金や、子どもの養育に対する手当が支給されます。
育児休業給付金
- 内容:育児休業中に雇用保険から支給される給付金
- 金額:休業開始から180日間は賃金日額の67%、181日目以降は50%
- 支給期間:子どもが1歳になるまで(保育園に入れない場合は最長2歳まで延長可能)
- 手続き:勤務先を通じてハローワークに申請
- 対象:雇用保険に加入し、育休前2年間に12か月以上の被保険者期間がある方
出生時育児休業給付金(産後パパ育休)
- 内容:子どもの出生後8週間以内に父親が取得する育休に対する給付金
- 金額:賃金日額の67%
- 支給期間:最大4週間(28日間)、2回に分割して取得可能
- 手続き:勤務先を通じてハローワークに申請
- 対象:雇用保険に加入している男性労働者
児童手当
- 内容:子どもを養育している保護者に支給される手当
- 金額:0歳から3歳未満は月額1万5千円、3歳から高校卒業までは月額1万円(第3子以降は月額3万円)
- 手続き:出生届の提出後、市区町村の窓口で申請(出生日の翌日から15日以内に申請すれば出生月の翌月分から支給)
- 対象:全ての子どもを養育する保護者(所得制限なし、2024年10月の制度改正により)
子育て応援給付金(出生届出後)
- 内容:出生届出後の面談を受けた方に支給される給付金
- 金額:5万円
- 手続き:自治体が実施する面談後に申請
- 対象:全ての出産した方
育児休業給付金の計算例
月給30万円の会社員の場合、休業開始から180日間は月額約20万1千円(30万円の67%)、181日目以降は月額約15万円(30万円の50%)が支給されます。なお、育児休業中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されるため、手取り額の減少は給与の約2割程度に抑えられます。
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自治体独自の給付金
国の制度に加えて、各自治体が独自に設けている給付金や助成制度があります。お住まいの自治体の制度を確認し、活用しましょう。
よくある自治体独自の支援制度
- 出産祝い金:出産時に数万円から数十万円を支給する自治体がある(特に人口減少が進む地域で手厚い傾向)
- 子ども医療費助成:子どもの医療費の自己負担分を助成する制度。対象年齢は自治体により異なり、中学卒業まで、高校卒業までなどがある
- おむつ・ミルクの支給:乳児を対象に紙おむつや粉ミルクを現物支給する自治体がある
- 産後ケア事業:産後の母子を対象に、助産師によるケアやデイサービスを提供(利用料の一部を自治体が負担)
- 多子世帯への追加給付:第2子、第3子以降に追加の祝い金や支援金を支給する自治体がある
自治体の制度を調べる方法
- 市区町村のウェブサイトの「子育て支援」ページを確認する
- 母子健康手帳の交付時に窓口で案内を受ける
- 子育て支援センターで相談する
- 自治体の子育て支援アプリを活用する
転入・転出時の注意
妊娠中や出産後に引っ越しをした場合、給付金の申請先が変わることがあります。特に児童手当は転出届と転入届の提出に合わせて手続きが必要です。引っ越し先の自治体で速やかに手続きを行い、支給の空白期間が生じないようにしましょう。
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申請漏れを防ぐチェックリスト
給付金は申請しなければ受け取れません。時期ごとにやるべき手続きを整理し、漏れなく申請しましょう。
妊娠がわかったら
- 市区町村に妊娠届を提出し、母子健康手帳と妊婦健診の受診券を受け取る
- 出産応援給付金の面談を受けて申請する
- 勤務先に妊娠を報告し、産休・育休の取得予定を伝える
- 加入している健康保険の制度を確認する
- 帝王切開の可能性に備え、限度額適用認定証を取得しておく
出産前後
- 出産育児一時金の直接支払制度を医療機関で手続きする
- 出産後14日以内に出生届を提出する
- 児童手当の申請を出生日の翌日から15日以内に行う
- 子育て応援給付金の面談を受けて申請する
- 子どもの健康保険の加入手続きを行う
- 乳幼児医療費助成の申請を行う
産休・育休中
- 出産手当金の申請を勤務先を通じて行う(産休終了後)
- 育児休業給付金の申請を勤務先を通じて行う(育休開始後)
- 社会保険料免除の手続きが行われているか確認する
- 配偶者が産後パパ育休を取得する場合、出生時育児休業給付金を申請する
年度末・確定申告
- 医療費の領収書を整理し、医療費控除の対象額を計算する
- 医療費が10万円を超えている場合は確定申告で医療費控除を申請する
- ふるさと納税をしている場合はワンストップ特例が使えるか確認する(確定申告が必要な場合は特例が適用されない)
申請期限に要注意
児童手当は出生日の翌日から15日以内に申請しないと、遡って支給されません。出産手当金や育児休業給付金にも申請期限があります。出産前に必要な手続きのリストを作成し、期限を把握しておくことが大切です。家族と分担して手続きを進めましょう。