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産休の取り方ガイド|期間・手続き・届出を解説

2026年3月28日 公開
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産休制度の概要

オフィス

産休(産前産後休業)は、労働基準法第65条に基づき、すべての働く女性に保障された権利です。雇用形態(正社員、契約社員、パート、アルバイト)を問わず、妊娠した労働者であれば誰でも取得できます。事業主は産休の請求を拒否することはできません。

産休は「産前休業」と「産後休業」の2つに分かれます。産前休業は労働者の請求に基づくもので、取得するかどうかは本人の判断に委ねられます。一方、産後休業は法律で就業が禁止される強制休業であり、産後8週間は原則として就業できません。ただし、産後6週間を経過した後は、医師が支障ないと認めた業務に限り就業が可能です。

産休中の給与支払いについては法律上の義務はなく、有給か無給かは会社の就業規則によります。多くの場合、産休中は無給ですが、健康保険から出産手当金が支給されるため、一定の収入は確保できます。

参考
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産前産後休業の期間

産前産後休業の期間は出産予定日を基準に計算されます。実際の出産日が予定日とずれた場合の取り扱いについても理解しておきましょう。

産前休業

  • 単胎妊娠:出産予定日の6週間前(42日前)から取得可能
  • 多胎妊娠(双子以上):出産予定日の14週間前(98日前)から取得可能
  • 出産予定日より遅れた場合:予定日から実際の出産日までの期間も産前休業に含まれる

産後休業

  • 出産の翌日から8週間(56日間)が産後休業期間
  • 産後6週間は強制休業(就業禁止)
  • 産後6週間経過後は、本人の請求と医師の許可があれば就業可能

出産日がずれた場合

出産が予定日より早まった場合、産前休業は短くなりますが、産後休業は実際の出産日の翌日から8週間が保障されます。予定日より遅れた場合は、産前休業が延長される形になり、産前産後の合計期間が長くなります。いずれの場合も産後8週間は確保されます。

出産日の取り扱い
法律上、出産日は産前休業に含まれます。つまり、産後休業は出産日の翌日から起算して8週間となります。この点は出産手当金の計算にも影響するため、正確に理解しておくことが大切です。
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届出と手続き

産休の取得にあたっては、勤務先への届出と各種機関への手続きが必要です。計画的に準備を進めましょう。

勤務先への届出

  1. 妊娠の報告:安定期に入った頃(妊娠12〜16週頃)に上司に報告するのが一般的。報告時期に法的な決まりはない
  2. 産休開始日の申し出:産前休業を開始する日を会社に伝える。出産予定日の6週間前から取得可能
  3. 産前産後休業届の提出:会社所定の書式がある場合はそれに従う。書式がない場合は、休業期間と出産予定日を記載した書面を提出する
  4. 業務の引き継ぎ:産休開始前に後任者への業務引き継ぎを完了させる

届出に必要な書類

  • 母子健康手帳の写し(出産予定日の確認用)
  • 産前産後休業届(会社所定の書式)
  • 出産後は出生届の受理証明書や母子手帳の出生届出済証明ページの写し
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出産手当金の申請

出産手当金は、健康保険の被保険者が出産のために仕事を休み、給与の支払いを受けなかった場合に支給される手当です。国民健康保険の加入者は対象外となるため注意が必要です。

支給額の計算方法

出産手当金の1日あたりの支給額は、「支給開始日以前12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額 ÷ 30日 × 3分の2」で算出されます。おおよそ月収の約67%が支給されると考えてよいでしょう。

支給期間

  • 出産日(出産が予定日より後の場合は出産予定日)以前42日(多胎は98日)から出産日後56日までの期間
  • 予定日より遅れて出産した場合は、遅れた日数分も支給対象になる

申請の流れ

  1. 健康保険出産手当金支給申請書を入手する(全国健康保険協会のWebサイトまたは健康保険組合から)
  2. 医師または助産師に「出産に関する証明」欄を記入してもらう
  3. 事業主に「勤務状況および賃金の支払い状況」欄を記入してもらう
  4. 勤務先を経由して健康保険組合または協会けんぽに提出する
申請のタイミング
出産手当金は産前分と産後分をまとめて申請するのが一般的ですが、産前分を先に申請することも可能です。まとめて申請する場合は、産後56日経過後に手続きを行います。申請から支給まで1〜2か月程度かかることがあるため、家計の資金計画を立てておきましょう。
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社会保険料の免除

産休期間中は、申請により健康保険料と厚生年金保険料の支払いが免除されます。この免除は被保険者本人の負担分だけでなく、事業主負担分も免除されます。

免除の対象期間

社会保険料の免除は、産前産後休業を開始した日の属する月から、終了する日の翌日が属する月の前月までの期間が対象です。例えば、4月15日から産休を開始し、7月10日に産後休業が終了する場合、4月分から6月分までの保険料が免除されます。

手続き方法

事業主が「産前産後休業取得者申出書」を日本年金機構に提出することで手続きが完了します。被保険者本人が直接手続きする必要はありません。産休開始後すみやかに事業主に手続きを依頼しましょう。

将来の年金への影響

産休中の社会保険料免除期間は、将来の年金額の計算において「保険料を納めた期間」として扱われます。つまり、免除を受けても将来の年金が減額されることはありません。これは育児休業期間中の免除についても同様です。

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職場復帰の準備

産休後の職場復帰をスムーズに進めるためには、産休中から計画的に準備を進めることが大切です。多くの方は産休に続けて育児休業を取得しますが、産休のみで復帰する場合の準備事項も確認しておきましょう。

復帰前に確認すべきこと

  • 保育施設の確保:認可保育所の申し込みは入所希望月の数か月前から。自治体により締め切りが異なるため早めに確認する
  • 勤務形態の相談:短時間勤務制度、フレックスタイム制度、在宅勤務制度など、利用可能な制度を確認する
  • 復帰後の業務内容:産休前と同等の業務に復帰できるか、上司や人事部門と事前に確認する
  • 育児時間の請求:労働基準法第67条により、生後1年未満の子を育てる女性は1日2回各30分の育児時間を請求できる

育児休業への切り替え

産後休業終了後に育児休業を取得する場合は、原則として休業開始予定日の1か月前までに事業主に申し出る必要があります。産休中に育児休業の申出を行うのが一般的です。育児休業は原則として子が1歳に達するまで取得でき、保育所に入所できないなどの事情がある場合は最長2歳まで延長が可能です。

不利益取り扱いの禁止
産休・育休の取得を理由とした解雇、降格、不利益な配置転換などは、男女雇用機会均等法および育児・介護休業法により禁止されています。復帰後に不当な扱いを受けた場合は、都道府県労働局に相談できます。
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