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つわりの対処法ガイド|症状・時期・食事の工夫

2026年3月28日 公開
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つわりとは

食事

つわりは妊娠初期に多くの妊婦が経験する生理現象で、主に吐き気や嘔吐、食欲不振といった消化器系の症状を指します。妊婦の約50〜80%が何らかのつわり症状を経験するとされており、妊娠に伴うホルモン変化が主な原因と考えられています。

つわりの原因は完全には解明されていませんが、妊娠後に急増するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが関与しているとする説が有力です。hCGは妊娠を維持するために胎盤から分泌されるホルモンで、妊娠8〜10週頃にピークを迎えます。このほか、プロゲステロンの増加による胃腸機能の低下、自律神経の乱れ、心理的ストレスなども複合的に影響しているとされています。

つわりの程度は個人差が非常に大きく、軽い吐き気程度で済む方もいれば、日常生活に支障をきたすほど重症化する方もいます。また、第一子と第二子で症状の出方が異なることも珍しくありません。

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症状の種類と時期

つわりの症状は人によってさまざまですが、代表的なものをいくつかに分類できます。自分の症状を理解することで、適切な対処法を見つけやすくなります。

主なつわりの種類

  • 吐きづわり:最も一般的な症状で、吐き気や嘔吐を伴う。空腹時や特定の匂いで悪化しやすい
  • 食べづわり:空腹になると気持ちが悪くなり、常に何かを食べていないと症状が出る
  • 匂いづわり:特定の匂い(炊きたてのご飯、香水、調理中の匂いなど)に敏感になり吐き気を催す
  • 眠りづわり:強い眠気やだるさが続き、日中も起きていられないほどの倦怠感がある
  • よだれづわり:唾液の分泌が増え、飲み込めないほどの量が出る

時期の目安

つわりは一般的に妊娠5〜6週頃から始まり、8〜10週頃にピークを迎えます。多くの場合、妊娠12〜16週頃には自然に軽快しますが、妊娠後期まで続く方もいます。安定期に入っても症状が続く場合は、かかりつけの産科医に相談しましょう。

複数の症状が同時に現れることも
つわりの症状は一種類だけとは限りません。吐きづわりと匂いづわりが同時に現れたり、時期によって症状の種類が変化することもあります。日によって調子が良い日と悪い日の波があるのも一般的です。
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食事の工夫

つわりの時期は「食べられるものを、食べられるときに、食べられるだけ」が基本方針です。栄養バランスにこだわりすぎず、脱水を防ぐことを最優先に考えましょう。

食べやすい食品の例

  • 冷たいもの:そうめん、冷製スープ、ゼリー、アイス、冷奴など。温かい食べ物の匂いが苦手な場合に有効
  • 酸味のあるもの:柑橘類、トマト、梅干し、酢の物など。吐き気を和らげる効果が期待できる
  • 炭水化物:クラッカー、食パン、おにぎりなど。胃に負担が少なく、空腹感を抑えやすい
  • 水分補給:経口補水液、炭酸水、スポーツドリンク、氷をなめるなど。少量ずつこまめに摂る

食事のとり方のコツ

  1. 1回の食事量を減らし、1日5〜6回に分けて少量ずつ食べる
  2. 起床時の空腹で気持ちが悪くなる場合は、枕元にクラッカーやビスケットを置いておく
  3. 調理の匂いがつらい場合は、家族に調理を任せるか、すぐに食べられるものを選ぶ
  4. 食べられるものが限られる時期は、サプリメントで葉酸やビタミンB6を補うことも検討する
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仕事との両立

つわりの症状がある中で仕事を続けることは、多くの妊婦にとって大きな負担です。しかし、法律で定められた制度を活用することで、無理なく働き続けることが可能です。

母性健康管理指導事項連絡カード

医師からつわりによる業務軽減の指導を受けた場合、「母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)」を活用できます。これは医師の指導内容を事業主に的確に伝えるための書式で、厚生労働省のWebサイトからダウンロードできます。事業主はこのカードに基づき、勤務時間の短縮、作業の制限、休憩回数の増加などの措置を講じる義務があります。

活用できる制度

  • 勤務時間の短縮:つわりによる通勤困難や体調不良に対応するための時短勤務
  • 時差通勤:ラッシュ時の混雑を避けるための出退勤時間の変更
  • 休憩の増加:症状に応じた休憩回数・時間の増加
  • 傷病手当金:つわりが重く就労不能と診断された場合、健康保険から標準報酬日額の3分の2が支給される
妊娠を理由とした不利益取り扱いの禁止
男女雇用機会均等法により、妊娠・出産を理由とした解雇、降格、減給などの不利益取り扱いは禁止されています。つわりで休暇を取得したことを理由に不利益な扱いを受けた場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。
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重症化(妊娠悪阻)の受診目安

通常のつわりの範囲を超えて症状が重症化した状態を「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼びます。妊娠悪阻は治療が必要な病態であり、放置すると母体と胎児の両方に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

受診を検討すべき症状

  • 水分を含め、ほとんど何も口にできない状態が24時間以上続く
  • 体重が妊娠前より5%以上減少した
  • 尿の量が著しく減り、色が濃くなっている
  • めまい、立ちくらみ、動悸が頻繁に起こる
  • 日常生活がほぼ送れない状態が続いている

妊娠悪阻の治療

妊娠悪阻と診断された場合、主に点滴による水分・電解質の補充と、ビタミンB1の投与が行われます。症状が重い場合は入院治療が必要になることもあります。入院中は絶食のうえ点滴で栄養を補給し、症状の改善を待ちます。

妊娠悪阻の治療は保険適用となるため、医療費の自己負担は通常の3割負担で済みます。さらに高額療養費制度の対象にもなるため、入院が長期化した場合は限度額適用認定証の取得を検討しましょう。

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パートナーができるサポート

つわりの時期は、パートナーの理解と協力が妊婦の心身の負担を大きく軽減します。目に見えない症状だからこそ、積極的なサポートの姿勢が重要です。

日常生活でのサポート

  • 食事の準備:調理の匂いがつらい場合は、パートナーが調理を担当する。換気を十分に行う
  • 家事の分担:掃除、洗濯、買い物など、体力を使う家事を積極的に引き受ける
  • 上の子の世話:既にお子さんがいる場合は、入浴や遊び相手などを担当する
  • 通院の付き添い:妊婦健診への付き添いは、妊娠への当事者意識を高める機会にもなる

精神的なサポート

つわりの症状は周囲から見えにくいため、「気の持ちよう」「大げさ」といった言葉は絶対に避けるべきです。体調が悪いときはゆっくり休める環境を整え、つらさに共感する姿勢を見せることが大切です。また、パートナー自身も妊娠・出産に関する知識を深めることで、より的確なサポートができるようになります。

職場への配慮も忘れずに
パートナーが妊婦の職場の状況を把握しておくことも重要です。母健連絡カードの存在や、利用できる制度について一緒に情報を集めておくと、必要な場面でスムーズに対応できます。
参考
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