ホーム / ガイド / 産後の体の回復ガイド
GUIDE

産後の体の回復ガイド|骨盤ケア・体力回復・運動再開の目安

2026年3月28日 公開
約11分で読めます
01

産後の体の変化

運動

出産後の体は、約10か月かけて変化した状態から元に戻ろうとする回復過程に入ります。子宮は出産直後にはスイカほどの大きさですが、約6週間かけて妊娠前の大きさに戻ります。この過程で悪露(おろ)と呼ばれる分泌物が排出されます。

ホルモンバランスも大きく変動します。妊娠中に高値だったエストロゲンとプロゲステロンが急激に低下し、代わりに授乳を促すプロラクチンが増加します。このホルモン変動が、気分の落ち込みや涙もろさ(マタニティブルーズ)の原因となることがあります。

主な体の変化

  • 子宮の収縮(後陣痛を伴うことがある)
  • 悪露の排出(4週間から6週間程度続く)
  • 会陰部や帝王切開の傷の回復
  • 骨盤の緩み
  • 髪の毛の抜け毛(産後3か月から6か月頃にピーク)
  • むくみ(産後1週間から2週間で軽減)
参考
02

産褥期の過ごし方

産褥期(さんじょくき)は出産後6週間から8週間の期間を指し、体が妊娠前の状態に回復する重要な時期です。この期間は無理をせず、体の回復を最優先にした生活を心がけましょう。

産後1週間

入院中は医療スタッフのサポートを受けながら、授乳や赤ちゃんのお世話に慣れていきます。経腟分娩の場合は産後4日から5日、帝王切開の場合は産後7日から10日で退院となるのが一般的です。退院後は自宅で安静にし、赤ちゃんのお世話以外の家事は極力控えましょう。

産後2週間から4週間

体の回復に合わせて少しずつ日常生活の動作を増やしていきます。ただし、重いものを持つ、長時間立ち続けるなどの負担の大きい動作は避けましょう。悪露の量や色の変化に注意し、異常を感じたら医療機関に相談します。

産後5週間から8週間

1か月健診で医師から問題ないと判断されれば、入浴(湯船につかること)や軽い外出が可能になります。体調を見ながら徐々に通常の生活リズムに戻していきましょう。

産後ケア事業の活用
多くの自治体では「産後ケア事業」として、宿泊型・デイサービス型・訪問型のサポートを提供しています。助産師による母体のケアや授乳指導、育児相談を受けることができます。利用料金は自治体の助成により数千円程度に抑えられていることが多いので、お住まいの自治体に確認しましょう。
03

骨盤底筋の回復

妊娠・出産により骨盤底筋群は大きなダメージを受けます。骨盤底筋は子宮、膀胱、直腸を支える筋肉群で、この筋力が低下すると尿漏れや骨盤臓器脱のリスクが高まります。経腟分娩だけでなく、帝王切開の場合も妊娠中の負荷により骨盤底筋は弱くなっています。

骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)

  1. 仰向けに寝て膝を立てた姿勢をとる
  2. 肛門と膣を締めるように力を入れる(尿を途中で止めるイメージ)
  3. 5秒から10秒間キープする
  4. ゆっくり力を抜いてリラックスする
  5. 10回を1セットとして、1日3セット行う

骨盤底筋トレーニングは産後早期から開始できます。経腟分娩であれば産後翌日から、帝王切開であれば傷の痛みが落ち着いてから無理のない範囲で始めましょう。効果を実感するまでに2か月から3か月かかるため、継続することが重要です。

参考
04

産褥体操

産褥体操は、産後の体の回復を促すための軽い運動プログラムです。血行を促進し、子宮の回復を助け、体力の低下を防ぐ効果があります。産後の日数に合わせて段階的に進めていきます。

産後1日目から(入院中)

  • 深呼吸:仰向けに寝て、ゆっくり深い呼吸を繰り返す
  • 足首の曲げ伸ばし:血液循環を促進する
  • 骨盤底筋トレーニング:前述のケーゲル体操

産後1週間から

  • 腹式呼吸:腹筋の回復を促す
  • 膝倒し:仰向けで膝を立て、左右にゆっくり倒す
  • ブリッジ:仰向けで膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げる

産後2週間以降

  • 腹筋運動(軽度):仰向けで頭を持ち上げるだけの軽い動作から
  • 骨盤回し:立った状態で骨盤をゆっくり回す
  • ウォーキング:5分から10分の短い散歩から始める
腹直筋離開について
妊娠中に腹直筋が左右に離れる「腹直筋離開」が起きることがあります。産後も2本指以上の隙間がある場合は、通常の腹筋運動は避け、専門家の指導のもとで回復を図る必要があります。気になる場合は産後検診で医師に相談しましょう。
05

運動再開の目安

本格的な運動の再開は、1か月健診で医師の許可を得てからが基本です。ただし、回復の速度は個人差が大きいため、自分の体の状態に合わせて無理なく進めることが大切です。

運動再開の段階

  • 産後1か月から:ウォーキング、ストレッチ、ヨガ(軽度)
  • 産後2か月から3か月:産後ヨガ、ピラティス、水泳
  • 産後4か月から6か月:ジョギング、筋力トレーニング
  • 産後6か月以降:通常の運動やスポーツの再開

運動再開時の注意点

運動中や運動後に出血がある場合、痛みが生じる場合は運動を中止し、医療機関に相談してください。帝王切開の場合は傷口の回復により時間がかかるため、経腟分娩より運動再開の時期が遅くなるのが一般的です。授乳中は運動前にしっかり水分を摂取し、激しい運動の後は授乳まで時間を置くとよいでしょう。

06

産後検診の内容

産後検診は母体の回復状態を確認するための重要な健診です。2週間健診と1か月健診が一般的で、自治体によっては費用の助成を受けることができます。

産後2週間健診

産後2週間健診は主に産後うつのスクリーニングや授乳の状況確認を目的としています。エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)を用いた精神状態のチェック、体重測定、血圧測定、悪露の状態確認などが行われます。

産後1か月健診

  • 子宮の回復状態の確認(内診)
  • 会陰切開や帝王切開の傷の回復確認
  • 血圧、体重、尿検査
  • 精神状態のスクリーニング
  • 授乳の状況確認と指導
  • 日常生活や運動の再開についての指導

1か月健診で問題がなければ、入浴(湯船)の許可や性生活の再開についての指導が行われます。気になる症状がある場合は、遠慮せずに医師に相談しましょう。

参考
お住まいの地域の子育て支援情報を調べる
全国の市区町村の子育て支援情報を比較できます