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妊娠中の食事ガイド|必要な栄養素と避けるべき食品

2026年3月28日 公開
約12分で読めます
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妊娠中の栄養の基本

食事と栄養

妊娠中は胎児の成長と母体の健康維持のために、通常より多くの栄養素が必要になります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、妊娠期に付加すべきエネルギー量として、妊娠初期は+50kcal、中期は+250kcal、後期は+450kcalが推奨されています。

ただし、単にカロリーを増やすのではなく、必要な栄養素をバランスよく摂取することが重要です。主食・主菜・副菜をそろえた食事を基本に、特に不足しやすい栄養素を意識的に摂取しましょう。極端な食事制限や偏食は母体と胎児の双方にリスクをもたらします。

参考
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葉酸・鉄分・カルシウム

妊娠中に特に意識して摂取すべき栄養素として、葉酸、鉄分、カルシウムが挙げられます。これらは通常の食事だけでは不足しがちなため、食品の選び方やサプリメントの活用が重要になります。

葉酸

葉酸は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減する効果があり、妊娠前から妊娠初期にかけて1日400マイクログラムの摂取が推奨されています。ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、レバーなどに多く含まれますが、食事だけでは十分な量を確保しにくいため、サプリメントの併用が推奨されています。

鉄分

妊娠中は血液量が増加するため、鉄分の需要が高まります。妊娠中期から後期にかけて1日21.5mgの鉄分摂取が推奨されています。赤身肉、レバー、あさり、小松菜、納豆などが鉄分を多く含む食品です。ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が向上します。

カルシウム

胎児の骨や歯の形成にカルシウムは不可欠です。妊娠中の推奨摂取量は1日650mgで、牛乳、ヨーグルト、小魚、豆腐、小松菜などから摂取できます。カルシウムの吸収を促進するビタミンDの摂取も意識しましょう。

サプリメントの利用について
葉酸サプリメントは妊娠の1か月以上前から摂取を開始することが望ましいとされています。ただし、ビタミンAのサプリメントは過剰摂取により胎児に影響を及ぼす可能性があるため、医師や管理栄養士に相談してから利用しましょう。
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避けるべき食品

妊娠中は免疫機能の変化により食中毒のリスクが高まるほか、特定の食品に含まれる成分が胎児に影響を与える可能性があります。以下の食品は摂取を控えるか、摂取量に注意が必要です。

控えるべき食品

  • 生肉・生ハム・パテ:トキソプラズマやリステリア菌の感染リスク
  • ナチュラルチーズ(加熱殺菌されていないもの):リステリア菌の感染リスク
  • 生卵:サルモネラ菌の感染リスク
  • 刺身・寿司:食中毒のリスク(新鮮なものであれば少量は許容される場合もある)
  • レバーやうなぎの過剰摂取:ビタミンAの過剰摂取による胎児への影響

水銀を含む魚介類

一部の大型魚には水銀が蓄積されており、胎児の発達に影響を及ぼす可能性があります。厚生労働省は、キンメダイ、メカジキ、クロマグロなどについて、妊婦の摂取量の目安を公表しています。これらの魚は週に1回80g程度を目安にしましょう。

カフェイン・アルコール

カフェインは1日200mg(コーヒー2杯程度)以下に抑えることが推奨されています。アルコールは妊娠中を通じて完全に避けるべきです。少量でも胎児性アルコール症候群のリスクがあり、安全な摂取量は確立されていません。

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時期別の食事ポイント

妊娠の時期によって必要な栄養素や注意点は変化します。各期に応じた食事のポイントを押さえましょう。

妊娠初期(0週から15週)

つわりがある場合は無理をせず、食べられるものを食べることを優先します。葉酸の摂取が特に重要な時期です。食欲がない場合でも水分補給は欠かさず行いましょう。

妊娠中期(16週から27週)

つわりが落ち着き、食欲が回復する時期です。鉄分やカルシウムの需要が高まるため、バランスのよい食事を心がけます。体重の増加が著しい場合は、間食の内容を見直しましょう。

妊娠後期(28週から出産)

胎児の成長が加速し、エネルギー需要が最も高くなる時期です。1回の食事量を減らして回数を増やす「分食」が効果的です。塩分の摂り過ぎは妊娠高血圧症候群のリスクを高めるため、減塩を意識しましょう。

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体重管理

妊娠中の適切な体重増加は、母子の健康にとって重要です。体重増加が少なすぎると低出生体重児のリスクが高まり、多すぎると妊娠糖尿病や巨大児のリスクが高まります。

推奨体重増加量の目安

  • 妊娠前BMI 18.5未満(やせ):12kgから15kg
  • 妊娠前BMI 18.5から25.0未満(普通):10kgから13kg
  • 妊娠前BMI 25.0から30.0未満(肥満1度):7kgから10kg
  • 妊娠前BMI 30.0以上(肥満2度以上):個別対応(上限5kg程度が目安)

体重増加のペースは、妊娠中期から後期にかけて1週間あたり0.3kgから0.5kg程度が目安です。急激な体重増加は妊娠高血圧症候群のサインである可能性があるため、週ごとの体重変化に注意を払いましょう。

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つわり期の食事の工夫

つわりは妊娠5週頃から始まり、12週から16週頃に落ち着くのが一般的です。吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状があり、日常の食事が困難になることがあります。つわりの時期は栄養バランスよりも、食べられることを優先しましょう。

つわり期の食事のコツ

  • 空腹を避けるため、少量をこまめに食べる
  • 冷たいもの、酸味のあるものは比較的食べやすい
  • においが気になる場合は、冷ましてから食べる
  • 起床時に吐き気がある場合は、枕元にクラッカーなどを置いておく
  • 水分補給を意識する(経口補水液や氷をなめるのも効果的)

医療機関への相談が必要な場合

食事がほとんど摂れない状態が続く場合や、体重が急激に減少した場合は「妊娠悪阻」の可能性があります。脱水症状(尿の量が減る、口が渇くなど)が見られる場合は速やかに医療機関を受診しましょう。重症の場合は点滴による水分・栄養補給が必要になることがあります。

つわりで食べられなくても大丈夫
妊娠初期は胎児がまだ小さいため、必要なエネルギー量はわずかです。つわりで十分に食べられなくても、胎児の成長に大きな影響はないとされています。つわりが落ち着いてから、バランスのよい食事を心がければ問題ありません。無理をせず、自分のペースで食事をしましょう。
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