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妊婦健診の回数・費用・スケジュール|助成券の使い方も解説

2026年3月28日 公開
約10分で読めます
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妊婦健診の概要

健診

妊婦健診(妊婦健康診査)は、妊娠中の母親と胎児の健康状態を定期的に確認するための健康診査です。妊娠の経過を見守り、異常の早期発見・早期対応を行う重要な機会です。

妊婦健診の目的

妊婦健診には大きく3つの目的があります。

  • 母親の健康管理:血圧、体重、尿検査などによる妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の早期発見
  • 胎児の発育確認:超音波検査による胎児の成長や異常の確認
  • 出産に向けた準備:分娩方法の検討、バースプランの相談、保健指導

受診の法的根拠

母子保健法第13条に基づき、市区町村は妊婦に対する健康診査を行うこととされています。厚生労働省は妊娠期間中に14回程度の受診が望ましいとしており、全ての自治体で14回分の公費助成が実施されています。

受診する医療機関

妊婦健診は、産婦人科を標榜する病院、診療所(クリニック)、助産院で受けることができます。出産を予定している医療機関で継続して受診するのが一般的ですが、里帰り出産の場合は妊娠中期までは居住地近くの医療機関で受診し、後期から里帰り先の医療機関に移ることもあります。

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健診のスケジュールと回数

厚生労働省が示す標準的な妊婦健診のスケジュールは以下の通りです。妊娠の経過や医療機関の方針によって多少異なる場合があります。

妊娠初期から23週(第6か月)

4週間に1回の受診が基本です。この時期は妊娠の確認、出産予定日の確定、初期の血液検査などが行われます。

  • 受診回数:約4回
  • 主な内容:妊娠の確定、出産予定日の決定、初期血液検査、子宮頸がん検診

妊娠24週から35週(第7か月から第9か月)

2週間に1回の受診となります。胎児の成長を継続的に確認し、妊娠中期から後期にかけての合併症の有無をチェックします。

  • 受診回数:約6回
  • 主な内容:胎児の発育確認、妊娠糖尿病のスクリーニング、貧血検査、GBS検査

妊娠36週以降(第10か月)

1週間に1回の受診となります。出産に向けた最終的な確認が行われます。

  • 受診回数:約4回
  • 主な内容:胎児の位置確認、子宮口の状態、NST(ノンストレステスト)、出産の兆候の確認
14回を超える受診について
多胎妊娠(双子以上)や妊娠合併症がある場合は、標準の14回を超える受診が必要になることがあります。14回を超えた分は自費負担となる場合がありますが、自治体によっては追加の助成を行っているところもあります。
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健診の内容

妊婦健診では、毎回行われる基本的な検査と、特定の時期に行われる検査があります。

毎回の基本検査

  • 体重測定:妊娠中の体重増加が適切かを確認
  • 血圧測定:妊娠高血圧症候群の早期発見
  • 尿検査:尿蛋白や尿糖の有無を確認
  • 浮腫(むくみ)の確認
  • 腹囲・子宮底長の測定:胎児の発育状態の確認
  • 胎児心音の確認

時期に応じた検査

  • 超音波検査:胎児の発育、羊水量、胎盤の位置などを確認(妊娠初期から定期的に実施)
  • 血液検査(初期):血液型、貧血、感染症(B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒、風疹抗体など)
  • 子宮頸がん検診:妊娠初期に1回
  • 血糖検査:妊娠糖尿病のスクリーニング(妊娠24週から28週頃)
  • GBS検査(B群溶血性レンサ球菌):妊娠33週から37週頃
  • NST(ノンストレステスト):妊娠36週以降に胎児の心拍と子宮収縮を記録

任意で行われる検査

以下の検査は希望者に対して行われるもので、公費助成の対象外となる場合があります。

  • 出生前診断(NIPT、羊水検査、絨毛検査)
  • 4Dエコー
  • トキソプラズマ抗体検査
  • サイトメガロウイルス抗体検査
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費用と自治体の助成制度

妊婦健診は保険診療ではないため、原則として全額自己負担です。しかし、自治体の助成制度を利用することで、費用の大部分をカバーすることができます。

健診1回あたりの費用の目安

  • 基本的な健診:5,000円から8,000円程度
  • 血液検査がある回:10,000円から15,000円程度
  • 超音波検査がある回:5,000円から10,000円程度(基本費用に加算)

助成がない場合、妊娠期間全体の健診費用は総額10万円から15万円程度になります。

妊婦健診助成券(受診票)の仕組み

妊娠届を提出して母子健康手帳を受け取る際に、14回分の妊婦健診助成券(受診票)が交付されます。この助成券を医療機関に提出することで、健診費用の一部または全部が公費で賄われます。

  • 交付時期:妊娠届出時(母子健康手帳と同時に交付)
  • 交付枚数:14回分(全自治体共通)
  • 助成金額:自治体によって異なる(1回あたり5,000円から10,000円程度、検査項目により増額)
  • 利用方法:受診時に医療機関の窓口に提出し、助成額を超えた分のみ自己負担

自己負担額の目安

助成券を利用した場合の自己負担額は、自治体の助成金額と医療機関の費用設定によって異なります。助成が手厚い自治体では自己負担がほぼ発生しない場合もありますが、一般的には妊娠期間全体で3万円から7万円程度の自己負担が見込まれます。

助成券の有効期限
助成券には有効期限があり、出産日までに使用する必要があります。使い切れなかった助成券は、予定日を過ぎた場合の追加健診に使えることが多いですが、出産後は使用できません。紛失した場合は自治体の窓口で再発行が可能です。
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里帰り出産時の妊婦健診

里帰り出産を予定している場合、住民票のある自治体と里帰り先の自治体が異なるため、助成券の利用方法に注意が必要です。

助成券の取り扱い

妊婦健診の助成券は、原則として住民票がある自治体が発行したものを使用します。里帰り先の医療機関では、住所地の助成券が使えない場合があります。その場合の対応方法は以下の通りです。

償還払い(立て替え払い)の手続き

  • 里帰り先の医療機関で健診費用を全額自己負担で支払う
  • 領収書と未使用の助成券を保管する
  • 出産後、住民票のある自治体の窓口で償還払いの申請を行う
  • 助成券の金額を上限として、実費が払い戻される

申請に必要な書類

  • 償還払い申請書(自治体所定の様式)
  • 医療機関の領収書(原本)
  • 未使用の助成券
  • 母子健康手帳
  • 振込先の口座情報
  • 本人確認書類

申請の期限

償還払いの申請には期限が設けられている自治体が多く、一般的には出産後6か月以内、または年度末までとなっています。里帰りから戻ったら、早めに手続きを済ませましょう。

里帰り前の準備
里帰り前に、住民票のある自治体に里帰り先での助成券の利用方法を確認しておきましょう。自治体間の協定により、助成券がそのまま使える場合もあります。また、里帰り先の医療機関にも事前に受診の予約と助成券の取り扱いについて確認することをおすすめします。
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妊娠中に利用できるその他の支援

妊婦健診の助成以外にも、妊娠中に利用できるさまざまな支援制度があります。

出産・子育て応援給付金

2023年1月から全国で実施されている制度で、妊娠届出時に5万円、出生届出後に5万円、合計10万円の給付金が支給されます。伴走型相談支援として、妊娠届出時と出生届出後に面談が行われ、必要な支援につなげる仕組みです。

出産育児一時金

健康保険から出産時に50万円が支給される制度です。2023年4月から42万円から50万円に引き上げられました。医療機関への直接支払制度を利用すれば、退院時の窓口負担を軽減できます。

マタニティマーク

妊娠届出時に母子健康手帳とともに交付されるマタニティマークは、妊娠初期の外見からは分かりにくい時期に、周囲に妊婦であることを示すためのものです。公共交通機関での着席配慮や、受動喫煙の防止に役立ちます。

母親学級・両親学級

自治体や医療機関が開催する母親学級・両親学級では、妊娠中の生活、出産の流れ、育児の基礎知識などを学ぶことができます。同時期に出産を予定している方との交流の場にもなります。参加費は無料の場合が多いです。

妊娠中の就労に関する制度

  • 妊婦健診のための通院休暇(男女雇用機会均等法に基づく)
  • 妊娠中の時差通勤や勤務時間短縮(医師の指導に基づく)
  • 危険有害業務の制限
  • 産前休業(出産予定日の6週間前から取得可能、多胎は14週間前から)
参考
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