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奨学金の種類と選び方 給付型・貸与型・自治体独自制度

2026年3月28日 公開
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奨学金制度の全体像

奨学金

奨学金は、経済的な理由で進学が困難な学生に対して学費や生活費を支援する制度です。日本の奨学金は大きく「給付型(返還不要)」と「貸与型(返還必要)」の2つに分かれます。さらに、運営主体によって国の制度、自治体の制度、民間の制度に分類できます。

日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、大学生の約半数が何らかの奨学金を利用しています。奨学金は学生本人が申請し、卒業後に本人が返還する仕組みが一般的です。保護者の立場からは、子どもの進学前に制度の概要を把握し、家計の状況に合った奨学金を選ぶことが重要です。

奨学金の主な種類

  • 日本学生支援機構の給付型奨学金(高等教育の修学支援新制度)
  • 日本学生支援機構の貸与型奨学金(第一種・第二種)
  • 都道府県・市区町村の独自奨学金
  • 大学独自の奨学金・授業料減免
  • 民間財団等の奨学金
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日本学生支援機構(給付型)

給付型奨学金は、2020年4月から開始された「高等教育の修学支援新制度」の一環として、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生を対象に支給されます。返還の必要がないため、経済的負担を大幅に軽減できます。

対象世帯と支援区分

  • 第I区分:住民税非課税世帯(標準的な4人世帯で年収約270万円以下)
  • 第II区分:住民税非課税世帯に準ずる世帯(年収約300万円以下)
  • 第III区分:上記に準ずる世帯(年収約380万円以下)
  • 第IV区分:多子世帯の中間層(年収約600万円以下、2024年度から新設)

給付月額の目安(大学の場合)

  • 国公立大学・自宅通学:月額29,200円(第I区分)
  • 国公立大学・自宅外通学:月額66,700円(第I区分)
  • 私立大学・自宅通学:月額38,300円(第I区分)
  • 私立大学・自宅外通学:月額75,800円(第I区分)

第II区分は第I区分の2/3、第III区分は1/3の金額が支給されます。授業料と入学金の減免もセットで受けられます。

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日本学生支援機構(貸与型)

貸与型奨学金は、卒業後に返還が必要な奨学金です。第一種(無利子)と第二種(有利子)の2種類があり、世帯の収入や学生の成績に応じて利用できます。

第一種奨学金(無利子)

  • 利子:なし
  • 学力基準:高校の評定平均3.5以上(住民税非課税世帯は基準緩和あり)
  • 収入基準:4人世帯で年収約747万円以下(給与所得の場合)
  • 貸与月額(大学):自宅通学で月額20,000円から54,000円、自宅外通学で月額20,000円から64,000円

第二種奨学金(有利子)

  • 利子:年利上限3%(在学中は無利子)
  • 学力基準:平均以上の成績であること
  • 収入基準:4人世帯で年収約1,100万円以下(給与所得の場合)
  • 貸与月額:月額20,000円から120,000円(10,000円単位で選択)

第一種と第二種は併用が可能です。必要な金額に応じて組み合わせて利用できます。

入学時特別増額貸与
入学時の一時的な資金需要に対応するため、入学時特別増額貸与奨学金(10万円から50万円)を利用できます。入学前に必要な資金は、国の教育ローン(日本政策金融公庫)との併用も検討しましょう。
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自治体独自の奨学金

都道府県や市区町村が独自に運営する奨学金制度があります。国の制度と併用できるものも多く、追加の支援として活用できます。

自治体奨学金の特徴

  • 給付型(返還不要)の制度がある自治体も多い
  • 所得基準が国の制度と異なる場合がある
  • 地元の高校・大学に進学する場合に限定される制度もある
  • Uターン就職を条件に返還を免除する制度もある

主な自治体奨学金の例

各都道府県には高等学校奨学金制度が設けられています。月額の貸与額は公立高校で月額18,000円から35,000円程度、私立高校で月額25,000円から40,000円程度が一般的です。

市区町村レベルでは、給付型の奨学金を設けている自治体もあります。対象や金額は自治体によって大きく異なるため、お住まいの自治体の教育委員会に問い合わせてみましょう。

奨学金の検索方法
日本学生支援機構のウェブサイトには「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」の検索機能があります。進学先の大学や居住地で利用できる奨学金を調べることができます。
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民間の奨学金

企業や財団法人が運営する民間の奨学金も数多く存在します。給付型が多い点が特徴で、成績優秀者や特定の分野を志す学生を対象としたものが多くあります。

民間奨学金の主な特徴

  • 給付型(返還不要)が多い
  • 月額2万円から10万円程度と金額に幅がある
  • 選考が厳しく、採用人数が限られている場合が多い
  • 特定の学部・分野を対象としたものがある
  • 交流会や研修への参加が求められる場合がある

大学独自の奨学金

多くの大学が独自の奨学金制度や授業料減免制度を設けています。入試の成績優秀者に対する特待生制度、在学中の成績優秀者に対する奨学金、家計急変時の緊急支援金などがあります。入学前に志望校の奨学金制度を確認しておくことをお勧めします。

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返還のシミュレーション

貸与型奨学金を利用する場合は、卒業後の返還負担を事前にシミュレーションしておくことが重要です。無理のない返還計画を立てましょう。

返還額の目安

  • 第一種(月額5万4千円×48か月=総額約259万円):月返還額約14,400円×180回(15年)
  • 第二種(月額5万円×48か月=総額240万円、利率0.5%):月返還額約10,700円×240回(20年)
  • 第二種(月額8万円×48か月=総額384万円、利率0.5%):月返還額約17,100円×240回(20年)

返還が困難な場合の救済制度

  • 減額返還制度:月々の返還額を1/2または1/3に減額できる(返還期間は延長)
  • 返還期限猶予:経済的に困難な場合、返還を一時的に猶予できる(最長10年)
  • 所得連動返還方式:第一種奨学金で選択可能。所得に応じて返還月額が変動する
借りすぎに注意
奨学金は便利な制度ですが、借りすぎると卒業後の生活を圧迫します。月々の返還額が手取り収入の15%を超えないことを目安に、必要最低限の金額を借りるようにしましょう。日本学生支援機構のウェブサイトでは返還シミュレーションが利用できます。
参考
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