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特別支援教育とは?通級指導・支援学級・支援学校の違い

2026年3月28日 公開
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特別支援教育の概要

特別支援

特別支援教育は、障害のある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善・克服するための教育です。2007年に従来の「特殊教育」から転換され、現在の制度が始まりました。

対象となるのは、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱のほか、発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)のある児童生徒です。

特別支援教育の場は、通常の学級での指導、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校と、児童生徒の状態に応じた多様な学びの場が用意されています。

インクルーシブ教育の推進
障害者権利条約の批准を受け、日本でもインクルーシブ教育システムの構築が進められています。可能な限り障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶことを目指しつつ、個別のニーズに応じた多様な学びの場を整備するという方向性です。
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通級による指導

通級による指導は、通常の学級に在籍しながら、一部の時間を別室(通級指導教室)で個別または小集団の指導を受ける仕組みです。

対象となる児童生徒

  • 言語障害(構音障害、吃音など)
  • 自閉スペクトラム症
  • 情緒障害
  • 学習障害(LD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)
  • 弱視、難聴
  • 肢体不自由、病弱・身体虚弱

指導の内容

週1回から8回程度(年間35単位時間から280単位時間)、在籍校または他校の通級指導教室で指導を受けます。指導内容は、自立活動(コミュニケーション能力の向上、感情のコントロールなど)を中心に、各教科の補充指導も行われます。

通級指導のメリット

普段は通常の学級で友だちと一緒に学びながら、必要な支援を受けられる点が大きなメリットです。在籍する学級での学習内容に遅れが出ないよう配慮されます。

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特別支援学級

特別支援学級は、小・中学校に設置される少人数の学級で、障害の種類に応じた教育を行います。1学級の児童生徒数は8人が上限とされ、きめ細かな指導が可能です。

学級の種類

  • 知的障害
  • 肢体不自由
  • 病弱・身体虚弱
  • 弱視
  • 難聴
  • 言語障害
  • 自閉症・情緒障害

指導の特徴

特別支援学級では、一人ひとりに「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」を作成し、その子に合った教育目標や指導内容を設定します。教科の指導に加え、自立活動の時間も設けられています。

交流及び共同学習

特別支援学級の児童生徒が、通常の学級の児童生徒と一緒に授業を受けたり、学校行事に参加したりする「交流及び共同学習」が行われています。教科や活動内容に応じて、通常の学級で過ごす時間を設定します。

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特別支援学校

特別支援学校は、障害の程度が比較的重い児童生徒を対象とした学校です。幼稚部、小学部、中学部、高等部が設置されており、専門的な教育と自立に向けた支援を行います。

対象となる障害

  • 視覚障害
  • 聴覚障害
  • 知的障害
  • 肢体不自由
  • 病弱(身体虚弱を含む)

特別支援学校の特徴

  • 1学級の児童生徒数は6人(重複障害学級は3人)が上限
  • 教員のほかに看護師、理学療法士、作業療法士などの専門職が配置される場合がある
  • 通学が困難な場合はスクールバスの運行や訪問教育を実施
  • 自立活動の指導が教育課程の中核に位置づけられている
  • 高等部では就労に向けた職業教育も実施

居住地校交流

特別支援学校に通う児童生徒が、居住地域の小・中学校の児童生徒と交流する「居住地校交流」の取り組みが広がっています。地域とのつながりを維持するうえで重要な活動です。

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就学相談の流れ

障害のある子どもの就学先を決める際には、教育委員会が行う「就学相談」を利用します。子どもに最も適した学びの場を、保護者と教育委員会が一緒に考えるための仕組みです。

就学相談の流れ

  1. 教育委員会に就学相談を申し込む(年長の春から夏頃)
  2. 専門家チーム(心理士、医師、特別支援教育の専門家など)による発達検査・行動観察
  3. 保護者との面談で、子どもの状態や保護者の希望を確認
  4. 教育支援委員会(就学支援委員会)で総合的に判断し、就学先を提案
  5. 保護者と教育委員会の合意のもとで就学先を決定

保護者の意向の尊重

2013年の学校教育法施行令の改正により、就学先の決定にあたって保護者の意向を最大限尊重することが明文化されました。教育委員会の判断と保護者の希望が異なる場合も、十分な話し合いを経て合意形成を図ることが求められています。

就学先は変更できる
就学先は一度決めたら変更できないわけではありません。子どもの状態や教育的ニーズの変化に応じて、通常の学級から特別支援学級へ、あるいはその逆への転籍も可能です。定期的に就学先の妥当性を見直すことが大切です。
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合理的配慮の内容

2016年の障害者差別解消法の施行により、学校は障害のある児童生徒に対して「合理的配慮」を提供する義務を負っています。合理的配慮とは、障害のある子どもが他の子どもと平等に教育を受けられるよう、個別に必要な調整や変更を行うことです。

合理的配慮の具体例

  • 板書を写すのが困難な場合:タブレットでの撮影や教師のノートのコピーを許可
  • 読み書きに困難がある場合:デジタル教科書やルビ付き教材の使用
  • 集中が難しい場合:座席位置の配慮、刺激の少ない環境の提供
  • 肢体不自由の場合:バリアフリー環境の整備、補助具の使用許可
  • 聴覚障害の場合:FM補聴システムの使用、座席の配慮
  • 試験時の配慮:時間延長、別室受験、問題文の拡大

合理的配慮の申請

合理的配慮を受けるには、保護者から学校に申し出を行います。学校と保護者が話し合い、必要な配慮の内容を決定します。合意した内容は「個別の教育支援計画」に記載され、引き継ぎにも活用されます。

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