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障害のある子どもの保育・支援制度ガイド

2026年3月28日 公開
約10分で読めます
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障害のある子どもの保育の選択肢

障害児支援

障害や発達に特性のある子どもの保育・教育には、さまざまな選択肢があります。子どもの状態や家庭の状況に応じて、最適な環境を選ぶことが大切です。

保育園での統合保育(インクルーシブ保育)

障害のある子どもが、障害のない子どもと同じ保育園で一緒に過ごす保育形態です。多くの自治体では、障害児の受け入れにあたり加配保育士(通常の配置基準に上乗せして配置する保育士)を配置しています。入園にあたっては、園との面談を経て受け入れの可否が判断されます。

障害児通園施設(児童発達支援センター)

障害のある未就学児に対して、日常生活の基本動作の指導、集団生活への適応訓練などの療育を行う専門施設です。福祉型と医療型があり、医療型では治療も併せて行います。

幼稚園での受け入れ

幼稚園でも障害のある子どもを受け入れている園があります。私立幼稚園では特別支援教育の充実に取り組む園も増えています。国の「私立幼稚園特別支援教育経費」による補助制度もあります。

特別支援学校幼稚部

視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱の各特別支援学校に設置されている幼稚部で、3歳から就学前の子どもが対象です。専門的な教育と支援が受けられます。

障害の診断がなくても利用できる
児童発達支援などの障害児通所サービスは、医師の診断書がなくても利用できる場合があります。発達の遅れや気になる行動がある段階で、まずは市区町村の窓口に相談しましょう。
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児童発達支援(未就学児の療育)

児童発達支援は、障害のある未就学児(0歳から6歳)を対象とした通所型の療育サービスです。児童福祉法に基づく障害児通所支援の一つで、全国に事業所があります。

サービスの内容

子どもの発達段階や障害の特性に応じて、個別または集団で以下のような支援が行われます。

  • 日常生活動作の練習(食事、着替え、排泄など)
  • 言語・コミュニケーションの発達支援
  • 運動機能の発達支援(作業療法、理学療法)
  • 社会性・対人関係スキルの発達支援
  • 感覚統合療法
  • 保護者への助言・支援

児童発達支援センターと児童発達支援事業所の違い

児童発達支援センターは地域の中核的な療育施設として、通所支援に加え、保育園への訪問支援や相談支援なども行います。一方、児童発達支援事業所は通所支援を専門に行う施設です。事業所の方が数が多く、比較的身近な場所で利用しやすい傾向があります。

利用料

利用者負担は原則としてサービス費用の1割ですが、世帯の所得に応じた月額上限があります。

  • 生活保護世帯・住民税非課税世帯:0円
  • 住民税課税世帯(所得割28万円未満):月額4,600円
  • 上記以外の世帯:月額37,200円

多くの家庭では月額4,600円の上限で利用しています。

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放課後等デイサービス(就学児)

放課後等デイサービスは、就学中の障害のある子ども(6歳から18歳)を対象とした通所型の支援サービスです。学校の放課後や夏休みなどの長期休暇中に利用でき、「障害児の学童保育」とも呼ばれています。

サービスの内容

  • 生活能力の向上に向けた訓練
  • 社会との交流の促進
  • 学習支援
  • 創作活動、運動、レクリエーション
  • 集団生活での社会性の習得

利用の流れ

利用には市区町村から「通所受給者証」の交付を受ける必要があります。受給者証に記載された支給量(利用日数)の範囲内でサービスを利用します。一般的には月10日から23日程度の支給量が認められます。

事業所の選び方

放課後等デイサービスの事業所は全国に約2万か所あり、支援内容や雰囲気はさまざまです。選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

  • 個別支援計画の作成体制が整っているか
  • 専門職(言語聴覚士、作業療法士、心理士など)が在籍しているか
  • 送迎サービスの有無
  • 学校との連携体制
  • 子どもの障害特性に合ったプログラムがあるか
児童発達支援との併用
就学前は児童発達支援、就学後は放課後等デイサービスに移行するのが一般的な流れです。就学前から通っている事業所が放課後等デイサービスも提供していれば、スムーズに移行できます。
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経済的支援・手当

障害のある子どもを育てる家庭には、通常の児童手当に加え、いくつかの経済的支援制度があります。

特別児童扶養手当

20歳未満で精神または身体に障害のある子どもを養育している保護者に支給される国の制度です。

  • 1級(重度):月額56,800円(令和7年4月から)
  • 2級(中度):月額37,830円(令和7年4月から)

所得制限があり、受給者の所得が一定額を超えると支給停止となります。認定は都道府県知事が行い、申請は市区町村の窓口で行います。

障害児福祉手当

20歳未満で重度の障害があり、日常生活で常時介護を必要とする在宅の子どもに支給されます。月額16,100円(令和7年4月から)で、特別児童扶養手当との併給が可能です。

自立支援医療(育成医療)

18歳未満の障害のある子どもの治療に必要な医療費の自己負担を軽減する制度です。肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、心臓・腎臓などの内臓障害の手術や治療が対象です。自己負担は原則1割となり、所得に応じた月額上限が設定されています。

補装具費支給制度

義肢、装具、車いす、補聴器、眼鏡(弱視用)などの補装具の購入・修理費用が支給されます。自己負担は原則1割で、所得に応じた月額上限があります。

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受給者証の取得方法

児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援を利用するには、市区町村から「通所受給者証」の交付を受ける必要があります。

申請の流れ

  • 市区町村の障害福祉課や子育て支援課に相談・申請
  • 子どもの状況についての聞き取り調査(アセスメント)
  • サービス等利用計画案の作成(相談支援事業所またはセルフプラン)
  • 市区町村による支給決定
  • 通所受給者証の交付
  • 利用する事業所と契約し、サービス開始

必要な書類

自治体によって異なりますが、一般的には以下の書類が必要です。

  • 申請書(市区町村の窓口で入手)
  • 障害の状態がわかる書類(障害者手帳、医師の診断書・意見書、発達検査の結果など)
  • サービス等利用計画案
  • マイナンバーがわかる書類
  • 世帯の所得を証明する書類

障害者手帳がなくても申請できる

通所受給者証の申請には、必ずしも障害者手帳は必要ありません。医師の診断書や意見書、または乳幼児健診で発達の遅れを指摘された記録などがあれば申請できます。自治体によっては、保健センターの保健師の意見書で申請できる場合もあります。

セルフプランについて
サービス等利用計画案は本来、指定相談支援事業所が作成しますが、相談支援事業所が見つからない場合は保護者自身が「セルフプラン」として作成できます。書式は市区町村の窓口で入手できます。
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相談窓口と支援機関

子どもの発達に気になることがある場合、早い段階で専門機関に相談することが重要です。早期発見・早期支援が子どもの発達を後押しします。

市区町村の保健センター

乳幼児健診を実施している保健センターは、発達の相談の最初の窓口として適しています。保健師が話を聞き、必要に応じて専門機関を紹介してくれます。1歳半健診や3歳児健診で発達の遅れが指摘された場合は、フォロー教室や個別相談につないでもらえます。

児童発達支援センター

地域の障害児支援の中核機関として、通所支援だけでなく相談支援も行っています。発達に関する専門的なアセスメントを受けられるほか、利用できるサービスについての情報提供も受けられます。

発達障害者支援センター

各都道府県・指定都市に設置されている専門機関で、発達障害に関する相談、発達支援、就労支援、普及啓発などを行っています。保護者からの相談だけでなく、保育園や学校への助言も行います。

基幹相談支援センター

市区町村に設置されている障害者相談の総合窓口です。障害の種別を問わず、福祉サービスの利用に関する相談や情報提供を受けられます。

療育相談・発達相談

多くの自治体では、小児科医や心理士による発達相談の機会を設けています。予約が必要で、数か月待ちとなる場合もあるため、気になることがあれば早めに予約しましょう。

参考
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