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育児と仕事の両立支援制度 短時間勤務・看護休暇・在宅勤務

2026年3月28日 公開
約10分で読めます
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両立支援制度の概要

仕事と家庭

育児と仕事の両立を支援するための制度は、育児・介護休業法を中心に整備されています。育児休業だけでなく、復職後も子どもが一定の年齢に達するまで、さまざまな働き方の柔軟化措置を利用できます。

これらの制度は法律で定められた最低基準であり、事業主は正当な理由なく申出を拒否することはできません。また、制度の利用を理由とした不利益な取扱い(降格、減給、解雇など)は法律で禁止されています。

主な両立支援制度の一覧

  • 短時間勤務制度(3歳未満の子を養育する場合)
  • 子の看護休暇(小学校就学前の子を養育する場合)
  • 所定外労働の制限(3歳未満の子を養育する場合)
  • 時間外労働の制限(小学校就学前の子を養育する場合)
  • 深夜業の制限(小学校就学前の子を養育する場合)
  • テレワーク・在宅勤務(事業主の努力義務)
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短時間勤務制度

短時間勤務制度は、3歳に満たない子を養育する労働者が、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮できる制度です。事業主は、対象となる労働者から申出があった場合、この制度を設けなければなりません。

対象となる労働者

  • 3歳に満たない子を養育する男女労働者
  • 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
  • 日々雇用される者でないこと

パートタイム労働者でも、上記の要件を満たしていれば利用できます。ただし、労使協定により、入社1年未満の者や1週間の所定労働日数が2日以下の者は適用除外とされる場合があります。

給与への影響

短時間勤務により減少した労働時間分の給与は、ノーワーク・ノーペイの原則により、減額されるのが一般的です。例えば、8時間勤務から6時間勤務に短縮した場合、基本給が25%程度減少します。ただし、社会保険料については「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」により、将来の年金額が減らないよう配慮されています。

2025年の法改正
2025年の育児・介護休業法の改正により、3歳以降小学校就学前までの子を養育する労働者に対しても、短時間勤務やフレックスタイム、テレワークなどの柔軟な働き方を事業主が措置することが義務化されます。
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子の看護休暇

子の看護休暇は、小学校就学前の子を養育する労働者が、子の病気やけがの看護、予防接種や健康診断の付き添いのために取得できる休暇です。

取得日数

  • 子が1人の場合:年5日
  • 子が2人以上の場合:年10日

取得単位

1日単位だけでなく、時間単位での取得も可能です。例えば、朝の通院のために2時間だけ看護休暇を取得し、その後出勤するといった使い方ができます。

対象となる事由

  • 子の病気やけがの看護
  • 子の予防接種の付き添い
  • 子の健康診断の付き添い
  • 子の感染症に伴う学級閉鎖等による休園・休校への対応(2025年法改正で追加)
有給か無給か
子の看護休暇が有給となるか無給となるかは、企業の就業規則によって異なります。法律では有給とすることは義務付けられていませんが、有給としている企業も増えています。自社の就業規則を確認しましょう。
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所定外労働の制限

3歳に満たない子を養育する労働者は、事業主に請求することにより、所定労働時間を超えて労働させられることを制限できます。いわゆる「残業免除」の制度です。

制度の内容

  • 対象:3歳に満たない子を養育する男女労働者
  • 内容:所定労働時間を超える労働(残業)の免除
  • 請求期間:1回の請求につき1か月以上1年以内

時間外労働の制限との違い

「所定外労働の制限」は残業の完全な免除ですが、「時間外労働の制限」は残業の上限を月24時間・年150時間に制限する制度です。時間外労働の制限は小学校就学前の子を養育する場合に利用できます。

深夜業の制限

小学校就学前の子を養育する労働者は、深夜(午後10時から午前5時)の労働を制限してもらうことができます。夜勤のある職場で働く方にとって重要な制度です。

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テレワーク・在宅勤務

テレワーク(在宅勤務)は、通勤時間の削減や柔軟な時間活用により、育児と仕事の両立を大幅に助ける働き方です。育児・介護休業法の改正により、事業主に対するテレワークの努力義務が段階的に強化されています。

法律上の位置付け

2025年の育児・介護休業法改正により、3歳に満たない子を養育する労働者がテレワークを利用できるようにすることが事業主の努力義務とされました。また、3歳以降小学校就学前の子を養育する労働者に対する柔軟な働き方の選択肢の一つとしても位置付けられています。

テレワーク活用のポイント

  • 保育施設の送迎の前後に勤務できるよう、フレックスタイムと組み合わせる
  • 子どもの急な体調不良にも柔軟に対応しやすい
  • 通勤時間を育児や家事に活用できる
  • 在宅勤務中でも保育施設の利用は継続できる(保育の必要性は認められる)
テレワークの導入状況
総務省の調査によると、テレワークを導入している企業は増加傾向にありますが、業種や職種によって導入率に差があります。自社にテレワーク制度がない場合でも、人事部門に相談して個別対応を検討してもらえる場合があります。
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企業への請求方法

両立支援制度を利用するためには、事業主に対して書面で申出を行うのが確実です。制度の利用を円滑に進めるためのポイントを解説します。

申出の手順

  1. 自社の就業規則や育児関連の規程を確認する
  2. 上司や人事部門に制度利用の意向を伝える
  3. 所定の申出書を提出する(書式がない場合は自分で作成)
  4. 開始時期や期間について会社と調整する

申出のタイミング

  • 短時間勤務:利用開始の1か月前までに申出
  • 子の看護休暇:当日の申出でも取得可能
  • 所定外労働の制限:開始の1か月前までに申出
  • 時間外労働の制限:開始の1か月前までに申出

トラブルが生じた場合

制度の利用を拒否された場合や、利用を理由に不利益な取扱いを受けた場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。労働局では、事業主への助言・指導や紛争解決の援助を行っています。相談は無料で、プライバシーも守られます。

不利益取扱いの禁止
育児関連の制度利用を理由とした解雇、降格、減給、不利益な配置転換などは、育児・介護休業法で禁止されています。また、制度利用に関するハラスメント(いわゆるマタハラ・パタハラ)の防止措置も事業主に義務付けられています。
参考
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