編集部スタッフが実家近くの3つの街を子育て視点で比較してみた
なぜこの記事を書いたか
当サイトを作っていて、自分でもつくづく思うのは「データだけでは決められない」ということです。出産祝い金がいくら、医療費がここまで無料、待機児童は何人——そういう数字を並べたところで、実際にそこに住んだら何が起こるかは別の話です。
そこで編集部スタッフ(私です)が、実家のある県の3つの市を、自分自身の判断で比較してみた記事を書くことにしました。データはサイトのものを使いますが、結論は完全に主観です。「データを使ってもこういう判断になる」というケーススタディとして読んでください。
比較する3つの街
地名は伏せますが、いずれも私の実家から車で30分以内、人口5万〜25万人クラスの3市です。仮にX市(中規模都市・25万人)、Y市(住宅地中心・10万人)、Z市(郊外型・5万人)と呼びます。
もし将来子どもができて、実家の近くに戻ってくるとしたら、この3つから選ぶことになりそうな現実的な候補です。
スペック比較
当サイトのデータベースから3市の主要スペックを並べます。
- X市: 出産祝い金なし/医療費高校3年まで・所得制限なし/待機児童0/3LDK家賃約9.5万円/認可保育園45園
- Y市: 出産祝い金第1子3万円・第2子5万円・第3子10万円/医療費中学3年まで・所得制限あり/待機児童8人/3LDK家賃約7.8万円/認可保育園18園
- Z市: 出産祝い金第1子5万円・第3子30万円/医療費高校3年まで・所得制限なし/待機児童0/3LDK家賃約6.2万円/認可保育園12園
表面的には、Z市が「出産祝い金あり」「医療費充実」「家賃安い」「待機児童ゼロ」と最強に見えます。で、本当にそうでしょうか?
スペック以外の現地感覚
ここから先は、実際に行ったことがある人間としての主観です。
X市(25万人の中核市)
駅前にスーパー・小児科・大手塾・図書館がそろっていて、子育て世帯にとっての「日常の便利さ」が圧倒的です。共働きで保育園送迎、スーパー、習い事の送迎を平日にこなすことを考えると、徒歩・自転車圏内に何でもあるのは大きな価値です。家賃は3市で一番高いですが、車を1台減らせるなら相殺できる範囲。
Y市(10万人の住宅地)
X市の隣にあるベッドタウン的な街です。X市まで電車で15分。家賃はX市より安く、戸建てが現実的に買える価格帯。デメリットは待機児童8人と、認可保育園が18園しかないこと。0歳児で復職する家庭にはやや厳しい。中学受験を考えるなら、X市の塾に通う前提になります。
Z市(5万人の郊外型)
スペック上はいちばん有利なZ市ですが、現地に行くと現実が見えます。最寄りのスーパーまで車で15分、小児科は1軒のみ、塾は事実上なし、習い事の選択肢はピアノ・スイミング・公文くらい。自然環境は素晴らしく、家賃は安く、医療費も無料。でも「子どもの選択肢を広げる」という意味では、家庭側の努力(オンライン教材、車での移動)が必須になります。
私個人の結論
3市を並べて、私の家族構成(共働き、子ども1人を予定、車1台、塾や習い事はそこそこ重視)で考えると、選ぶのはX市です。Z市の数字は確かに魅力的ですが、共働き継続の現実性と日常の動線を考えると、X市の利便性が勝ちます。
ただし、これが「3人目を考えていて、上の子が小学生」という家庭だったら、Z市の出産祝い金30万円とのびのびした環境はかなり魅力的になります。「家族構成」と「働き方」によって、同じデータでも答えはまったく違います。
当サイトのスコアやランキングは、こうした個別事情を機械的に反映できません。だからランキング上位=あなたにとっての正解ではない、ということを、編集部としても繰り返し言っておきたいです。
読者のみなさんへの提案
引っ越しを検討している方には、当サイトを次のように使ってもらうのがおすすめです。
- 気になる3〜5自治体を比較ツールで並べる
- 表面のスコアではなく「自分の家族構成にとって何が効くか」を1項目ずつ判断する
- 最終候補に残った2〜3自治体は、実際に休日を1日使って訪問する。スーパー・公園・小児科・通勤駅の動線を実地で確認する
- 転入予定者として子育て窓口に電話してみる(応対の温度感が見えます。このコラムに編集部の電話レポートがあります)
データはあくまで補助線です。最終的には、住む人自身の感覚と価値観で決めるしかありません。当サイトはその判断材料を提供するための場所であって、判断そのものを代行する場所ではありません。それを忘れずに使ってもらえたらと思います。
こそだてくらべ編集部 ながやま